ん。お客さん、今日は一組来る予定なのね。
珍しい。お祭りだからかな。
今日は夕方まで叔母さんも居るし、…ああ、ジリヤも来るのね。
じゃあ、一組くらい問題無さそう。
[壁に貼られたメモを確認して、鍋を気にしながら林檎を切り分ける。
湯煎にかけた卵を泡立てて、粉と合わせて。オーブンに入れて、良い匂いが漂い始める頃にはジリヤが来るかもしれない。そうしたら、賄い分のボルシチを少しだけ一緒に食べてしまおうか。
そんな事を考えていると、くぅ、と小さくお腹が鳴る。一人で顔を赤らめる暇もなく、食堂の方から声が掛かった。どうやらお客が来たらしい。]
はぁい、ただいま!
[大きめの返事をして、ケイトはパタパタと厨房を後にする。
宿の玄関から二人の男>>55と、手伝いをしてくれる少女>>72が入って来たのは、その少し後のことだった。]*
(96) 2015/05/25(Mon) 00時頃