[どこをどうされたのか、気づけばあたしは冷たい地面に転がされ、ごつごつとした手に口を塞がれていた。
体には、経験にないくらいの荷重がかけられていて、じたばたしようにも身動きが取れない。
見上げたあたしの視界の中、銀色の刃が鈍く光った。]
『人間は、やばいからってぇ、猫で、我慢してたんだけどぉ…』
『やっぱりぃ、手ごたえがさぁ、違うんだよねぇ…ッ』
[まるでスローモーションのようだった。
振り下ろされる刃を、妙に無感動に、あたしは見つめる。
しかし、一泊おいて襲う、熱にも似た鋭い痛みにあたしは声に出せない悲鳴を上げた。]
『あはは、それ、それだよぉ!!』
[ブツン、ビチャッ
およそ日常ではありえないような音が、耳に届いて、でもそれどころじゃなくて。
男の笑い声も遠くなって、
痛い、やだ、死んじゃう、怖い、やめて、助けて]
(94) 2014/03/14(Fri) 15時頃