……痛んだら、正直に教えてくださいよ。
[離された距離>>83は想定の範囲内ではあった。さほど驚くこともなく、伸ばした手はそのまま戻す。
拒絶の言葉を口にする少し前、露骨に動揺した彼の様子には、どこか引っかかりを覚えたけれど。]
…あ、おい、ガーディ!
[そんな隙をつくかのように、無言で立ち去ろうとする弟>>81に思わず声を上げて、自分を押し退けようとした腕を咄嗟に掴む。それがどちらの腕かまでは、選択するような余裕はない。]
おまえは怪我してるだろ。
……後でも良いから、見せなさい。
[掴んだ手は、振り払われでもしたらすぐに離すだろうけれど。
どのみち、彼の右手に包帯が巻かれているのには、掴んだ後で気付いた。
おそらく先に別れた時のものだろうと、聞こえた物音を思い出せば、この状況への怒りも込めて、常よりきつめの口調で告げる。
後で、としたのは、この場所を離れようとする彼への気遣いだけれど。]
(87) 2014/06/25(Wed) 14時頃