[彼女が扉から顔を覗かせる前に、先程投げたフォークをダイニングの卓、長いテーブルクロスの中へ出来るだけ音を立てないように注意しながらも素早く蹴飛ばす。
それでも立ってしまう音には、椅子にわざとよろけた様にして寄り掛るようにしてズラし、その音で誤魔化そうと。信頼させる為に手の内を明かすかはどうか、それは交渉次第。]
…っ、と…、助かるよ。
僕も…、こんな状況で希望的観測かもしれないですけど。
……勿論死にたくないし、出来るだけ人を殺したくないから。
[ 寄り掛った様から、体勢を直し。目を伏せ、迷いや弱さを見せるかのように、拳にぎゅ、と力を籠める。彼女の手の内の中の拳銃が下ろされた事に、安堵を目に見える形で、ほっと胸を撫で下ろすように――、息を吐いて見せた。 ]
……ねえ、水嶋さん。
本当にこの状況、誰か一人しか生き残れないのかな。
[そして、少しの間の後に、迷いを籠めたように切り出す。確かに、この状況なら手なんて組めないかもしれない。ただ、一つの『希望的観測』があれば、どうか。]
(77) 2014/06/22(Sun) 23時頃