[…>>56彼に拒否されたことは、今まであっただろうか。要求ばかり重ねた覚えもないけれど。
いつも小言を漏らしながらも決して無下にしなかった彼は何と無く滑稽で、嫌いになれないものだ。]
[睨んだものの、顔を逸らすのは目を追われる気まずさもあって。分かりきった様に言われた言葉も大して快くはなく。
淡々とした言葉には、無愛想に僅かに視線を送るだけで応えた。]
[>>57穏やかに答えられた言葉には、隠し込んでいた期待が思わず湧き上がる。
外出、なんて。今まで抑制されてきたそれが叶うなんて。そうしたら愛しい妹にも自分から会いに行けるだろうか。
口元が思わずにまりと緩んで、見せないようにと顔を伏せたけれど、語調からは滲み出ただろうか。押し殺した喜びが。]
ああ、うん、押し花くらいは自分でやる。
朝がのためにな。
(74) 鹿さん 2014/07/08(Tue) 02時半頃