――…健気だねぇ、まだ減らず口が持つかい。
ああ、しかし、何時もより毒が足りねぇな。
――――……意識しているのかい。
[笑った唇が彼に問う。>>67
この二人が、お互いを意識しているのは重々知れた。
だからこそ、態々二輪を活けたと言っても過言ではない。
自身の見立ては正しかったようで、指先で探ってやるだけで、
藤の君は花房のように揺れて狼狽を見せる。]
ほら、お前さんが意固地を張るから、朧の口を使わにゃならん。
そんな目で、愛い月を按ずるより、することがあろうよ。
[彼の眦に走る朱線を視止め、今度は更に浸食を深めて、背後から白裾を捲くると、武骨な指で彼の窄まりに直裁に触れた。
まるで彼の痴態を愉しむように、瞳に喜色が流れ込む。
すり、すり、と指腹で甘く数え始める窄まりの襞数。]
腰を淫らに揺らして誘え、藤の字よ。
お前さんの可愛い可愛い朧の為よ。
(71) 2014/09/15(Mon) 00時半頃