[開いた扉に向かう瞳は八つ。
ひえ、と、小さく上げてしまう悲鳴の情けなさよ]
す、すみませ…あの…
……知らない人に声をかけられたので…その…ちょっと…
[まさかその知らない人を自分以外が知っているなんて知りもしない。
気づけば懐のこぶたたちも随分苦しそうな有様だった。
まず見覚えのあるおにいさん>>53が見えたことで強張った肩に入る力を少し抜く。
どう考えても店に来た理由がおかしくて、休むかどうか尋ねる声に返事をしようとする己を柔らかく招くエレガントな指先>>54に思わず見惚れて視線が流れるその爪先を追った。
自然と向かう先はカウンター、キッチンを覗ける高さのスツールを店長>>51自ら引いてもらう有り難さに恐縮する様は、こういった席に座り慣れていないことが明白だろう。
カウンター越しにおとさかさん>>48の姿を見れば裏声のウサギを思い出して思わず唇を噛み締めた。
自分がコートを着たままだと思い出したがこの間忘れてとりに戻る醜態を晒したことを思えばちょっと預けづらい気持ちもあるが最終的には預けることにする*]
(60) 2019/11/28(Thu) 00時半頃