なんだその顔は、気持ちの悪い
[口だけではそう言うものの、微笑まれても悪い気はせずに
身を寄せられれば特に何か思うわけでもなく、その顔を近付ける
傍から見ればそれは可笑しな光景だっただろうがそれも、自分にとっては普通の出来事なのだから]
どれ、見せてみろ
[けったいな手紙、と言われて差し出されたのは自分に届いた物と全く同じで。どうやら彼も貰ったらしい
と、なるとこの劇場の役者全員が貰っているのかと一瞬思考を巡らせるが周りがあまり騒いでいないのを見れば自分と鏡のみのようだった]
俺も同じ物が届いた。偶然な
手鏡も化粧道具も、大事な物は全てあった。ただの悪戯だろう
[そう彼に言い聞かせるが、どこかぽっかり胸に穴の空いてしまったような。思い出せないけれど何かが足りない気がして
盗まれた物が何なのか、思い出せないのなら見付ける事も出来まいと、ボソリ呟いたそれは彼にも聞こえただろうか**]
(55) 2015/01/20(Tue) 21時半頃