― 診療所 ―
[診療所に戻ると、マユミの体をヒューの隣のベッドへ横たえる。モニカが不安そうに訊いてきた。>>50]
……ああ。
ちっと体が冷えすぎかもな。
温めるの、お願いできるか?
[毛布やタオルの場所を教える。
モニカにマユミを任せる間に、眠ったという――冬将軍だったという、ヒューの顔を初めて覗き込む。
マユミと同様、深く眠るその顔は穏やかで。マユミの結論が本当に正しかったのか、やはり首を捻ってしまう。確かめようにも、結論を出した本人からは聞きようがない。
山登りで汚れた包帯が巻かれたままの頭に手を伸ばし、赤い髪をぐしゃりとかき混ぜた。]
……さて。
何から話せばいいんだろうなぁ。
[振り返って、ブローリンと目が合えば苦笑を浮かべ。軽く肩を竦める。
湯を沸かし、人数分の珈琲を入れると手近な椅子に腰を掛け。とつとつと、これまでのことを話しはじめた。]
(54) 2013/12/25(Wed) 23時半頃