……ッ、な、れるよ……。だって、ほら、皆……無事に、帰れる、から……!これ、以上誰を疑う必要もないんだ……ッ
[そう言って笑うことはできたか。頬が嫌に痙攣していて、出来たとしてもぎこちない。…やはり死にたくなどなかったから。それでも、掴んでいた手が緩んだ隙>>51に、急いで落ちたメスを拾い上げる。]
……、大丈夫、ちゃんと、死ぬから……死ぬ、から……ごめん、なさい…
[声はやはり震えていたが、ああ、でも先程より少し軽く思えたのは、罪の意識を全て彼に吐き出したからだろうか。彼に重い荷を背負わせてしまったことだけが、後悔として残る。
彼に赤が飛んでしまわぬように、その場から少し離れることはできただろうか。きっと先程のように震える手では一度に押し込むことができないだろうから、壁にそのメスを突き立てて。]
……ッ、…
[死にたくない、など言う権利はない。そのまま恐怖で目をぎゅっと瞑ると、突き立てたメスに向かって自らの喉元を勢いよく押し当てようと、]
(54) 2015/08/28(Fri) 00時半頃