[お前とお前とお前!とばかりに思わず行儀悪く指さしてしまった。
ギャルは傍若無人にとか傲慢にとかそんな教えが身に付いていたからとかでは全然ない。
焦ってしまって、思ったままが口から飛び出す。
ずんずんと詰め寄るように歩み寄って───その内に、ああ、思い出した。]
キミけんちゃんでしょ、けんちゃん、私の事おぼえてる?おぼえてないかな、ヒナコだよ!
[鹿崎をケン、と呼んでいたのは彼の先輩だったか。
威圧的でオラオラしてて、何だか全然いい先輩って感じじゃなかったけど、シャレにもならない理不尽な物言いをのらりくらりと笑顔でかわしていた後輩の子。
かわいそ、ともうまくやってて偉いな、とも思った。
ねえおぼえてないかな、と昨日の事なんだか雛子自身の事なんだか自分でもごっちゃになりながら鹿崎の顔を背伸びをしながら見上げてもっと良く顔を見せようと**]
(52) 2019/09/02(Mon) 17時頃