→ ― ウルフバスター研究所 ―
[黒木は自ら跨るハーレーダビッドソン[ファットボーイ]の排気音を無遠慮に響かせたまま、ハンドルの真ん中に据え付けたコンソールのボタンを押した。フルフェイスのガラス面に次々と情報を表示するウィンドが次々と浮かび上がった]
ウルフブラック、JACK IN!
[メットの中で黒木がつぶやく。
すると黒木が今通過せんとする目の前のETC料金所の表示が、紫色の「ETC」から黒の「WーMAN」に変わるではないか]
待ってろよ……穣司…
お前こそは俺が守ってやる…
[[W=MAN]ゲートと化した料金所の先の道から、次々と新しい道路がせりあがっていく。黒木はスロットルをフルオープンに上げて、緩やかにカーブしながら研究所へと続く道に乗った。黒い革のライダースジャケットの下、黒木の肌の上で、古びたドッグタグと銀で稲妻の飾りが施された黒の宝石が光っていた]
(47) 2011/12/12(Mon) 01時頃