私には、それだけで十分だ。
私は強い。だから、それを受け入れる。
[「人それぞれだ」と呟いた、ヴェスパタインの姿>>2:44を脳裏に浮かべ、瞑目した。
イアンからは、何か反応はあっただろうか。
魔物となったためか、喋りが苦手のようにも感じる彼が、何か語ったのだとしたとしても、ヴェラは口を開くことはなかっただろう。
やがては、背の傷の痛みも構わず白狼の毛皮をつかみ、「もういい」とばかりに解き放とうとし……その動きを、ぴたりと止める]
……いや、やっぱり聞かせてもらおうか。
お前の好意には、最後まで甘えたままでいたい。
それに、お前と私の仲だ。
せめて、このくらいのことさえも聞いてやれないのは、私も寂しい。
[イアンが退避を>>38を視野に入れていることなど、知らぬまま。
逆に、ぬかるむ地面から一歩踏み出し、半身を晒して瞼を開いた]
(42) 2013/06/17(Mon) 20時半頃