この襲撃、妙だと思わないか。
[にゃーにゃー、とか細く鳴く瀕死の猫の首をつまみ、革袋>>1:153の中へと放り込む。
これは、あの時、助けを求めるように視線を向けてきた>>31、弱い魔法使いへの弁当だ。
狼であれば、未消化の食べ物を吐き出し分け与えるが、魔法使いならばこんなやり方が適切だろう]
同種の魔物が群れることはザラだが、これだけ多種の魔物が入り混じる光景を、私は初めて見た。
この状況、お前はどう見る?
[正直効果はなかったが、食料の干し肉を魔物に投げつけながら、問いかけた。
他の種族と共存する魔物も、もちろんいる。
一方で、かつて犬の魔物と猿の魔物が、殺しあっていたのを見たこともある。
元の種族の垣根を排除し、群れ集まるこの波が、異質のものに思えてならない。
ヴェスパタインからの無言の灯火>>28を感じたのは、そんな時分か。
わずかな間ではあっただろうが、ヴェラの気はそちらにとられ。
弱い人間のまま、無防備に立ちすくむ姿が、その場に残されたことだろう]
(41) 2013/06/15(Sat) 16時半頃