[お転婆なジリヤのことは幼い頃から気に入っていた。
子供の数は確かに少なかったけれど、女、男、と性別を気にせずに遊べたからかもしれない。
だから彼女の秘密を伝えて貰った時>>36も人知れず得意げな気持ちになったものだ。]
どうせなら一緒に回るのも悪くないね。
先生の作ったランタンに照らされた夜道も悪くはないだろうから、さ。
[所詮、完成には満たない口約束ではあるが、口走る。
憂い顔>>34には昔から弱い。
昔からの癖で埋め合わせのように何かを取り付けてしまう。
だから話が移ろい昔話を興じることになれば、小さく安堵のため息を吐いた。]
あの鉄槌は凄まじかったし、
今でも飲む時は心臓が疼くよ。
───でも、そのスリルがやめられなくてね。
[怒られたところで、好奇心が赴くままそこそこの悪さはしていた。
そう広くはない偏狭の土地。すぐに噂は出回り一人歩きする。
その度、血のつながりはなくとも叱ってくれるジリヤの叔父のことを慕っていたのだが。]
(37) 2015/05/24(Sun) 16時半頃