[>>29この男はよく表情を変える。その裏の真意などは微塵も読み取れないのだが。
それでも、つまらなそうな顔を見せている内はマシだろうと、幾分か安堵する部分は隠せずにいて]
自分がまともだとは思ってない。
けどな、お前はまともじゃない。
[なぜこういう時にも笑うのか、やはり気がおかしいじゃないのか、なんて煽りは飲み飲んだ。敵意や警戒は暫く忘れて、彼が可哀想に思えて。彼の歪みが露骨に伺えると冷たく哀れむ様な目でそれを見た]
[少なくとも、殺したと言ってくれるよりはいい。ヤニクの素っ気ない返事には多少なりとも安心して。
背を向けるヤニクに逃すまいと最後に質問を、答えが無ければ背後からその腕を掴み取るだろう]
いや、まだだ。
ディーンは何処に行った?
[こんなにも構う義理も無いはずだが、心は穏やかでなく追求の言葉を投げ掛ける。離れるヤニクへ自然に脚を一歩だけ踏み出して。
ふと自分が何をしているのか分からなくなってはいたけれど。それだけに、胸中をざわつき掻き立てる不安は何なのか、不思議に思えて]
(36) 2014/06/30(Mon) 02時半頃