んー、大した内容じゃなかった。
[いつもの検査報告だった、と表情を変えずに伝えると手紙を破って捨ててしまおうか、そうすれば誰の目につくこともないだろう。…流石に破くのは手紙を書いた医師に失礼だろうか。
そんな葛藤の末に手紙をテーブルに置いて、手早く紙飛行機を折りはじめた。]
……できたーっ!
[ものの数十秒で出来上がった紙飛行機は決して綺麗でも格好良くもなかったけれど、満足そうにレティーシャは頷いた。飛べば見た目なんて関係ないよ、と豪語しながら不恰好な紙飛行機を眺めた。
それから病室の窓を大きく開く。窓からは中庭の色鮮やかな紫陽花が見えて、ふ、とマリーの部屋にわたしの紫陽花を忘れて来ちゃったなと思い出す。ーーその子達も一緒にお部屋に飾って大事にしてくれるといいな、と考えると目を細めて。
手紙で出来た紙飛行機を紫陽花の方面へ向かって飛ばすと、着地するのを確認せずに窓を閉めた。]
(35) 2014/07/02(Wed) 18時頃