えっ?わ……
[視線に気づかれてしまった。こちらに歩み寄ってくる青年に思わず一歩後ずさったが、彼に悪意のようなものは――見受けられず、むしろこの優しい人ばかりの村の一人だろうとすぐに思う。
将来の大物、なんて自己紹介に表情を和らげた>>32]
は、はじめまして。リーさん、ですね。
メルヤと言います。
教会にお世話になっていて、――その、
最近この村にきたばかり、で、す。
[噂になっているなら、教会にいる女、と彼の耳にも届いているかもしれない。まだ自分の今までの経緯は、この村で誰にも話していないが。
赤いと指摘された顔に、ぱっと両手をを当て]
嘘、やだ、恥ずかしい。
[口元だけ覆ったまま、じっとリーを――いややっぱりピロシキを、見つめてしまい]
それ、美味しいですか……?
[間近で見るロシア料理に、こくんとつばを飲んだ。]
(33) 2015/05/25(Mon) 20時半頃