何、どうしたの?
大丈夫よ、もう落ちたりしないから。
[心配そうに見つめる彼を説得しようとそんな言葉を言ってみるが――効果はなかった。
結局駅の医務室まで付いて来てしまって、いい弟さんですねと声をかけられ困惑して――
またその違和感に首を傾げる]
(あーあ、終電のがしちゃったらタクシーかしら。結構高くつきそうね……)
[何ともないと判ると別の事が心配になってくる。それはまるで違和感から逃れようとしているようで。
観念したのか、深いため息をついて]
……心配してくれるのは嬉しいけど。
もう、夜も遅いわよ。貴方のような子が出歩いて良い時間じゃ――
[何故だろう。何だか声が空しく響き渡る。
違う、彼に伝えるべき言葉はこんなものではない。
そう思うのに、何故そう思うかも、ならばどういう言葉を伝えるべきなのか、全く判らない]
(31) elenora 2014/03/30(Sun) 23時頃