[言わないでいい、とばかりに横に振られる首>>27。優しさからなのか、それともまた別の何かか。どちらにせよその仕草を見れば じわりと涙溢れて。
差し出されたハンカチには、「ありがとう…ございます……」と消え入りそうな声で受け取る。こんな異常な場での、その些細な優しさが嬉しくて、辛い。]
……っ、う………ぅ……ッ…!!なんで、こんな……っ
[ああ、こんなに泣いてしまったら きっと"また"女みたいだと言われてしまう。だから、見ないと言われても自然と声は押し殺して、ただ目元から流れ出る雫を拝借したハンカチで拭う。
色が変わってしまったか。止まらない涙は、水分の無駄だろう。]
っ、ごめんなさ……っ!……あの、
[大の大人が泣いたという羞恥感は自然となかった。ただ反射的に謝辞を口すると、ハンカチを綺麗に折りたたみ直して返そうか。
うずくまったまま彼が動いていないのなら、きっと彼も辛いだろうに。]
ネルさん、……大丈夫、ですか?
[口にしてから大丈夫なわけないだろう、と馬鹿げた問いを後悔するがそれ以上にいう言葉もなく。]
(28) 2015/08/26(Wed) 21時頃