私は犬か何かか……。
[お前こそ猫のくせに。そんな呆れが浮かんだが、相手の狼狽故だと思えばそれすら面白い。
遠ざけようと手を出されれば、別に抵抗もせずに自分も彼の顔から手を引いただろう。
男の顔を覗き込む趣味は無い。好奇心さえ満たせれば、彼の顔に用は無かった]
おい童貞野郎。
いつまで乗っかっているつもりだ。退け。
[相手が此方の意図に気付いたと分かれば、上にあるままの体を蹴って退かそうとする。好い加減この体制も飽きてきた。
それに彼の自室とはいえ、いつ誰が来るのかも分からないのだし、あまり良い体制とはいえない。――誰かに誤解でもされたら面倒だ。(もう既に一人には誤解されているかもしれないけれど、ディーンは知る由も無い)
もう酔いは覚めた様だし、多少手荒にしても吐いたりしないだろう。遠慮無く思い切り蹴ったのだが、果たして彼にはちゃんと当たっただろうか。
まあ、この距離だから、避けられるという事は無いだろうけれど]
(25) 2014/06/27(Fri) 15時頃