―広場―
[広場には誰か居ただろうか。視界に、蹲る青年(>>19)を映したかもしれない。
それでも、彼に話しかける気になれるはずもない。無言のまま虚ろにその場に入り席に座ると、手直な料理を手に取って黙々と食べ始めただろう。
アナウンス(>>#0)はそこに辿りつくまでに聞こえていた。
それはまた誰かを疑わなければならない、という現実を示すもの。悪食がまだ居るということは、イアンさんはそうではなかったのだろうか。青山は、悪食が複数いるといっていたか。それなら、その人たちを全員殺害しない限り、ここから出ることは叶わないのだろうか。
顔を上げると、そこはイアンの座っていた席。温和そうな彼が、結局どんな人となりをしていたのか。自分はかつて彼と出会ったことがあったか。結局全ては、今口に含んだ肉の味と同じように、何も分からないまま。
彼の優しげな笑顔を思い出し、肉を噛み締めては。広場の監視カメラを睨みつけては低く告げて。]
青山さん…
あんたのことだけは、絶対に。
許さないッス。
(22) 2015/08/26(Wed) 20時頃