――今から300と60日ほど前――
「柔らかな日差し、そよぐ風の中、白木蓮の香りが漂い、桜の花舞うこの季節に、あなた方はこの学園の地を、思い新たに踏みしめたことでしょう。
新入生の皆さん。ご入学、おめでとうございます。また、今日まで限りない慈愛をもってお子様の成長を支えてこられた保護者の皆様に、心からお祝いを申し上げます。
皆さんは今日この日から誇りある高等部生として社会へと羽ばたくそのステップを進めてゆきます。
さらなる勉学の高みを目指し、友情の熱さ・力強さを学び、人間として大きく成長していくのであろうことを――――
[四月某日。聖†ジャキディス学園高等部入学式は、校長の静かな挨拶とともに滞り無く進んだ。
胸元に花をつけ、新しい高等部制服に身を包んだ少年たちの、どことなく凛々しげで、またどことなく眠そうな顔ぶれが、体育館に並んでいた。]
(21) 2014/04/02(Wed) 20時半頃