−後日談 〜あるいは成算なき白昼夢〜 −
「あれ、また…喋ってたの?」
skypoでライトとチャット通話していた、と悪びれずに言うカリュクスにサイモンは不穏な気持ちになった。
最初はメールだけだった。
楽しそうにやり取りを伝えてくるカリュクスに止めてほしいとは言えず、徐々にその頻度は増し、気がつくと彼女と彼の友人は、毎日連絡を取るようになっていた。
彼女に、カリュクスに言えないのなら、直接ライトに言おう。友人の頼みだ。少し鈍感なだけで悪い奴じゃないし、きっと分かってくれる。サイモンはそう決心する。
『今、時間ある? ちょっと話せないか?』
サイモンがメッセージを送ると、暫くして、着信音とともに友人からの返信が表示される。
『今? 大丈夫だぜ〜。何々、話ってカリュクスちゃんも一緒?』
暢気な返答に、サイモンの眉が寄る。
『彼女はいない。』
一言だけ送って、マイク通話に切り替える。
サイモンは深く深呼吸をした。気分を落ち着かせ、冷静に話すことができるように呼吸を整えて、
「ライト。単刀直入に言う……よ。こんなこと要求するの……恥ずかしいことだと、自分でも思うんだ……だけど。」
「? うん。」
(19) yunamagi 2013/06/20(Thu) 23時半頃