なに、オマエの血肉は土に還って
……あたらしい生命になってるさ
[瑞々しさも生命力も、そちらへ移ったのだろう。
ブロッコリー的な考えでは、それは喜ばしいことであり、この上なく幸福な生命の始終である。人間にとってどうだかは知らないが。少なくとも、幽霊相手の話すブロッコリーは、満足気だ。
生命の移ろいもまた喜ばしく。
幽霊の口に指を吸わせると、食まれた茎がウサギの体とひとつに混じり合った瞬間得た幸福に近いものを感じる。水に濡れ、冷えた肌がわずかに熱を持ち。その熱を幽霊に与えるように、唇を、舌を、撫で]
美味いか、そうか……良かった
[やや萎れた指の皮膚は、生気を喪った証。
幽霊に緑黄色野菜の栄養素が効くかどうかはわからないが、心なしか色艶よくなったふうに感じる幽霊の顔を、指先でひたひた触れて、頷いた]
(19) onecat69 2016/06/12(Sun) 22時半頃