[けれど僅かに吐き出された胃の中身と、それでもまだ回復の兆しを見せない弟の様子>>8に、もう一度舌を打った。]
……っ、ああ、もう!
[何を吐き出すでもなく、詰まった喉を鳴らしてえづく背中に近付いて、肩を引く。
拒否されようと関係なんてない。そもそも反論すら飲み込まれた先の様子を思えば、ろくに抵抗もできない事は理解っている。
なかば自棄になったような気持ちで、その顎を掴んで引き寄せた。]
悪い、けど。
…我慢しろよ、
[薄く開いた口を更にこじ開けるように、ぐっと指を捻じ込ませる。
指の先に触れた、形を成さない吐瀉物の残る粘膜に顔を顰めて。
舌を押さえ付けながら奥へと進めて、狭い食道へと押し込んだ。]
……さっさと吐けよ。
[そのまま掴んだ顎をシンクへと下向かせて、行き場を失くして渦巻いているだろう腹の中の物の逃げ場を作る。
ぐ、と後頭部を抑えて、無抵抗の相手にとんだ暴力じみた事をしているとは思うけれど。そんなことも、自分と弟の間では今更だ。
異物を拒絶する生理反応で、押し上げられた胃液がこみ上げてきたなら、そのまま指を引くだろうけれど。]
(12) 2014/07/01(Tue) 17時半頃