―広場・リーを追って―
[穏やかな笑顔(>>104)を残して広場を立ち去るリーの背中が小さくなるのを立ち尽くす。すぐに彼を追った方が良いに決まってる。人数が多い方が、錯乱し個室へ閉じ籠る彼も、それ諌め取り押さえようとする彼も。どちらも守ることが出来るのだから。
それなのに、
―――『あたしはくぅ君を愛してるから』
どうして?
―――『くぅ君はあたしのためだけに生きればいいの』
身体が重い、身動きが取れない。
椅子を手にしたまま、見えない力に全身が押し沈められているかのように動けないでいると、またしても「名」を呼んだのは彼だった(>>111)。
困惑めいた彼の声と表情。フィリップも迷っている。そう察すれば、震えた深い息が肺の奥から抜け出して。]
…い、こう、フィリップ。
[椅子を持つ手に力を入れ、空いた片手は握手を求めるかのようにフィリップの前に差し出して。そうしてフィリップの覚悟が決まるのを待ち、リーの足取りを追った。]
(12) 2015/08/26(Wed) 17時半頃