― 菜園の一角 ―
さてと、次はネギでもひっこぬくかね。
[よいしょっと振り返った瞬間に、何やらぞわっと殺気めいた何かを感じた気がした]
そういや、クリスがネギ気にしてたような。
[その殺気のような何かに家庭の事情で良く作物を狙いにくる園芸部の彼――ああ、見た目可愛いのに残念ながら彼なのだ、を思い出し、ぽりっと頬を掻く。
教師として特定の生徒ばかりに分けるのもどうかと思いつつ、家庭事情を考えると……と、若干悩みつつも結局たまに作物を分け与えてしまうのは良いのか悪いのか]
まぁ、他の生徒には焼き芋とかやることもあるし……いいか。
[元々深く考える性質でもなければ、ひとまずネギは置いて、あとひと月もすれば収穫できそうなサツマイモの様子を伺い始めた。
――余談であるが、秋は良く女子生徒に声をかけられるようになる。むろん、焼き芋目当てなのは明らかなわけで]
(9) 2016/08/18(Thu) 19時半頃