―101号室― ………はい。[驚きはしたの、だってドアを開けてトレーを置いたときに伸びてきたのは手だったから。少し寂しそうな顔が見えて、伸ばされた手を放っておくことはできなくて。そっとその手をとると、起き上がる彼女の手助けをした。] お見舞いじゃないわ、看病。 もちろんお見舞いも兼ねてるけどね…アタシ、お節介だから。[そう告げる声は優しく、自慢のお粥をそっと口へ運んだりした。きっと夢を見てたんだと思う。彼女のその夢がいいものだったのか、それとも悪いものだったのかはわからないけれど。例えば手を伸ばすほどに欲しかったものなんじゃないかと思う。家族と一緒に過ごした記憶だったり、看病された記憶だったり。願望なのか思い出なのか、きっと、そんな。だからアタシは手を繋いでいた。]
(4) 2013/08/20(Tue) 10時頃
sol・la
ななころび
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