――――ぇ、
ああ、…ティーシャ、さん。
ご無事、だったんですね。…良かった。
[廊下で掛けられた声>>2は不意のものだっただろうか。何にせよ、僅かに揺れた肩は隠しようがなかったかもしれないけれど。
時間感覚は曖昧でも、青山から告げられた"時間"はそろそろ訪れたはず。
ならば無事な彼の姿に、安堵めいて吐息を。
血の滲んだ唇に目を言及する前に、問いは続けられたか。]
イアンさんのあと、
[反芻した曖昧な言葉が何を指しているかなんて、理解に容易い。
鈍い音と倒れる身体。習慣めいたフラッシュバックを無理やりに払って。]
――そうだ、ヨアヒムさんが。
その、…………、
[誰にも告げず、そのまま離れてしまった彼の変わり果てた姿を思い返しては。
けれどその状況を口に出したくはなくて、濁った言葉は――彼になら、理解しては貰えただろうか。]
(3) 2015/08/27(Thu) 17時半頃