[近づくと志乃は僕に恐れを感じたか、ジリジリとあとずさり逃げようとする。]
暗い中、ぬかるんだ泥と入り組んだ木の根が足を阻みただでさえ動きにくい彼女の足を縺れさせると桜よりさほど離れていない地面に膝をつき手で地面を握る。]
志乃ちゃんありがとう…
伐らないでって言ってくれて…
[口角が斜めに上がればその両手の切っ先が、彼女の背中を走る。
強い雨音と雷鳴は彼女の叫び声を吸い、まだ、うごく彼女の背中を掴んで桜の木の下へと引きずり動かせば…
刀はグサリと背中を突き刺さり、だんだんと身体の震えが小さくなっていく。]
……綺麗だよ…志乃ちゃん…
いっぱい……いっぱい…咲かせられる…
……さ…よ…う…な…ら…
[やがて彼女を抱き寄せて、精一杯に力を込めると、志乃は血を流すだけになり、ゆっくりと手を離す。 斧を持ち、彼女の首を斬り落とすと、木に凭れかけさせてお腹の上で手で持つようにその首を持たせた。]
(2) 2016/04/25(Mon) 01時頃