[廊下にてうずくまり始めてどのくらい経っただろう。 何よりも不安だったのは、イアンの一件から……リーの姿も、フィリップの姿も見ていない。
ただ漠然とした、不安。
唇を噛み締める力が強過ぎて、鉄の味が口内にじんわりと広がっていく。それでも、その力を緩めることはなく 立ち上がった。とにかく、誰か探さなければ。]
……大丈夫、大丈夫。…きっと、大丈夫…
[何が大丈夫なのか、こうまでして生き残る意味も価値もあるのか分からずにただ譫言のように呟いては自身に言い聞かせて。
恐怖に震える唇は、噛み締めたことによってその震えを止めていた。
ネルとは自ら別れたとはいえ、一人になるのは得策ではなかっただろう。
廊下を辿っていれば、当初探していたあの緑髪の姿>>1を見つけることは叶っただろうか?それならば、少し迷った後、声をかけてみようか]
……っ、あの、フィリップさん……
[聞くことなど、決まっている。彼の悲鳴を聞いたというネルの言葉の真偽と、それと…]
……あの後、…イアンさんの、後、何をしていましたか?
(2) 2015/08/27(Thu) 17時頃