おい、なにを――、
[火の燻る煙草を向けられて、思い切り顔を顰める。これ以上消えない傷はごめんだ。しかも顔だなんて、冗談じゃない。
そんな思いでもって避けようとすれば、頬に手が添えられて。振り払おうと手を動かす直前に近付いてきた顔に、ぱちりと瞬いた]
は?
……っん、
[不意打ちの口付けには、間抜けな声と、小さく吐息を洩らす。
最初は状況を理解しきれず、ただ目を見開いて、信じられないという様に相手を見た。
――今更そんな事をしてくるのか、と。呆然と考えて。あまりに驚いたものだから、抵抗する事も忘れて、ただ苦いその口付けを甘受する。(先程まで吐き出されていた煙の味がして、顔を顰めはしたが)
……とはいえそれも少しの間の事で。すぐに我に返れば、その体を押し返した。そんな抵抗、彼には無意味かもしれないけれど]
(+78) 2014/07/04(Fri) 22時半頃