─ グロリアの部屋 寝台 ─
[グロリアの滞在する部屋の奥の一室。
寝室と言うには広過ぎる円形の部屋の扉を開けると、その部屋はすでに二人の少女のロストヴァージンショーが有った事等、嘘であるかのように片付けられていた。あれらの行為でイアンの人生は決定的に変わってしまったのに。二人の少女達に取っても、何らかの分岐点であったかもしれないのにも関わらず。大き過ぎるベットのシーツは勿論、部屋の空気にも残滓は漂っていない。
腕の中の肢体を寝台に降ろす。
入り口からの歩数や位置で、カルヴァナの軽過ぎる身体を運んだ時の事がチラリと脳裏をよぎる。あの時のグロリアは観客席に、今は片付けられてしまっている椅子で、扇子を揺らしながらイアン達を見ていたのだ。]
──グロリア さま。
[イアンは口端を持ち上げ、笑みを浮かべようとした*。]
(+41) 2010/04/09(Fri) 05時頃