254 東京村U
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[右手を引かれながら歩く。階段を降りて、それから登って。 どれだけ歩いても、不思議なことに疲れない。 ううん、疲れているのかも。そういった感覚は麻痺していたから、もうよくわからなかった]
え……?
[人の声が聞こえて>>+14>>+15振り向いた。 いつもの駅構内なら、人の声なんてたくさん聞こえていたけど、今この場所で聞こえたのは初めてだったから。
だって、他に人の姿なんてない]
(+16) 2016/10/04(Tue) 03時頃
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[足を止めて]
「ミツケタ」 「あの人、かくれんぼしてたの」 「何してあそブ?」
[嬉しそうな声は、聞くだけなら本当に無邪気な子どもの声だ。 その右手の先には影しかないけれど]
帰り道知ってるって言ったよね、あの人も一緒に帰れる?
「ワカンナイ」 「イッショに帰りたい?」 「あの人は、カエリタクナイみたいだから」
[それが、ここにいたいという意味なのかはわからない。 でも、掛けられた声は必死さを帯びていたから、帰りたいんじゃないのかな? って。 近づいてくる人の顔は、知っている顔だった。
あの、不動産屋さんから出てきた人だ]
(+17) 2016/10/04(Tue) 03時半頃
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まあ、あたしのケースに関しては……一応さ、ほら相手は人間だし。 ダメ元で警察には相談するよ。そんで荷物だけ運び出して……引越し先でも探す?
[最後の一言だけは、なぜか同意を求めるように語りかけた。 まだ携帯は断続的に震えている。 賑やかなLINEに混ざって、Twitterにも何やらリプライが送られてきているようだ。]
もうっ。
[手帳型のケースをぱたんと閉じて、鞄の奥底へと眠らせる。]
(184) 2016/10/04(Tue) 03時半頃
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とりあえず……着替えが欲しいな。 昨日から、ずっと同じ服だから。
[付け加えるなら、下着もだ。着替えの入ったトランク(>>2:139)のことは、もう諦めた。 お気に入りの服が入っていたのが少し、いや結構痛いけれど。]
じゃ、そういうことで、お会計はよろしく!
[机の上に千円札を置いて、入口まで逃げようとして……]
いっ。
[余所見しながら早歩きなどをするものだから、足をひっかけて地味にこける。 顔を上げると、仕切りを挟んであちら、二人掛けの小さな席に、今朝ほど見た横顔がひとり。見知らぬ女性と、緊迫した雰囲気。 彼女が木露に言っていた『カードにかけたら出てくれたパパの浮気相手(>>3:306)』だろうか。**]
(185) 2016/10/04(Tue) 03時半頃
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[尾鰭だけが出来ていたリンフォンは(いつの間にか、尾鰭が出来ていた、それは)、順調に形を変えていった。考えた通りに、指先の作業と思案に没頭していると、何もかも忘れられるようだった。十二分に気を逸らせた。 次々と成っていく様は、この状況でも楽しく感ぜられもして。
右鰭が出来る。 (リンフォン――RINFONE) 背鰭が出来る。 (完成したら、何になるの?) 顔らしきものが出来る。 ( 私は気が付く事はなく)
これで左鰭が浮かぶのだろう、突起を掴む。 ついに出来る。もうすぐ、完成する。 もうすぐ、]
…… もうすぐ、?
[頭に浮かぶ。思い出させる。重ねて聞いた声。 もうすぐ。 それは、何が、何を、]
(186) 2016/10/04(Tue) 03時半頃
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[かちり、と、 突起が押し込まれ、そして現れる、 小さな音が、やけに大きく、部屋に響いた]
(187) 2016/10/04(Tue) 03時半頃
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どうも、ええと……不動産屋さんの前で、あいました……よね。
[近づいてきたお兄さんへと一度頭を下げてそれから声を掛けた]
ここってどこだかわかりません、よね。 私も良くわからなくて。この子に、連れてこられたから。
[右手には、誰かがつかんでるような手の跡。小さな手の形だ。 きゅ、と話さないように握られていて、その子の影はお兄さんから隠れるように私の後ろにあった]
あの、私真嶋日菜子っていいます。 気づいたら新宿にいて、この子に連れられてここまで来たんですけど、ちゃんと知ってる新宿の駅だったのに、途中から知らないところに来たみたいで。 電車には乗ってないのに。
[お兄さんを見上げて、それから後ろに隠れていくその子を見た。 又一瞬だけ、その子の表情が見える。 怖がっていると言うよりも、なんていうんだろう、きゅっと握る手の強さを考えたら、恥ずかしがっているのかもしれない*]
(+18) 2016/10/04(Tue) 03時半頃
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[何かが閃く。 頭に閃く。 全てが、突然に、浮かび、重なり、繋がっていく]
[文字が、赤く、脳裏を流れていく]
[―― RINFONE]
(188) 2016/10/04(Tue) 03時半頃
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INFERNO ――
(-52) 2016/10/04(Tue) 03時半頃
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[何かの気配を感じて、 視線を感じて、窓を見る]
[いっぱいに カーテンが開かれた 窓の外 赤く染まった空を背景に
無数の目が こちらを みていた **]
(189) 2016/10/04(Tue) 03時半頃
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/*で、でたあああああああああああああああああああああ!!
(-53) 2016/10/04(Tue) 04時頃
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[澪音の目をまっすぐ見つめ返す。 怒るでもなく、嘲るでもなく、彼女の目は真剣だった。(>>177) ――なにかに気づいたのだろうか?]
はい。人づてに噂を聞き始めたのも、ここ最近です。 どこそこで、ステージ衣装のあたしが歌ってるところを見た、って。
……夢、ではないと思います。 実際に人が……死んでいるから。
[危険を強調するように、力強く言い切った]
(190) 2016/10/04(Tue) 05時頃
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[澪音の証言(>>178)に、ハッと息を飲む。 エスプレッソを混ぜていた手が止まった。]
……にせものが、なまえを!? そんな、だって……
[ジリヤの名前を知ったのが今日の午前(>>3:234) それまでは、その存在すら知らなかった。]
そうですよね! お昼に、お話して…… はじめて知ったのに……どうして!?
(191) 2016/10/04(Tue) 05時頃
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[ざわり、と悪寒が走った。
見られていた? あの、"もうひとりの自分"――ドッペルさんから?
頬に冷や汗が伝い、食器をもつ手がカチャカチャと震えた。 胸を締め付ける漠然とした不安。
なにか、大切なことを見落としている……。]
(192) 2016/10/04(Tue) 05時頃
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[そっくりなニセモノ。なりすまし。もう一人の自分。 『ドッペルさん』
"ソレ"は、外から来るものだと思っていた。 原因は、他の何かだと考えていた。 巻き込まれただけだと願っていた。
だが、それはやはり
――影法師。]
……アレは……あたし?
[澪音の指摘(>>179)に、頭が真っ白になった]
(193) 2016/10/04(Tue) 05時頃
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……ご、ごめん。 ちょっと……気分が。
[世界がぐるりと反転するような衝撃。 警鐘の音が頭の中で鳴り響いた。 右脚の脛が、ズキズキと疼き始める。
テーブルに肘をつき、頭痛に耐えるかのように、 こめかみを押え、目をきつく瞑る。]
(……もし、そうなら。 あたし、思い違いしてる?)
(194) 2016/10/04(Tue) 05時頃
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[昨晩のできごとは、澪音につたえたこと、それがすべて。 すべてのはじまりは、あの都市伝説。『ドッペルさん』 全ての怪異は、『ドッペルさん』の噂通り]
(……本当にそう?)
(195) 2016/10/04(Tue) 05時頃
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[ともすれば気を失いそうな意識を保ち、 昨晩の記憶を"手繰り"寄せる。]
(……ほら、しっかりして。 "全部そのまま話"すんでしょ?)
(196) 2016/10/04(Tue) 05時頃
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『目撃される"自分"』、『殺害する夢』、『自分の番号から着信』、『着信と呼応するノック』、『みつけた』、『金縛り』、『もう一人の自分』――……
(197) 2016/10/04(Tue) 05時頃
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[顔をあげて澪音を見つめる。 澪音の背後、窓ガラスに映る自分を見る。
真っ青な顔。震える口。おびえるような目。 あの晩に見た、煌びやかな自分の鏡像とはまるで違う(>>168)。 そう思いいたったとき、ふと、口から零れた。
あのとき、夢の中で、"もう一人のジリヤ"が口にした呪文。 今まで忘れていた言葉。]
(198) 2016/10/04(Tue) 05時頃
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…………"ラクル" (>>2:169)
[それだけは、『ドッペルさん』の噂から"違いすぎた"]
(199) 2016/10/04(Tue) 05時頃
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[ハッと我に返り、口に手を当てた。 違和感の正体、それを少し掴んだかもしれない]
……"尾ひれ"、だったんだ 形を借りただけで、『ドッペルさん』は本質じゃない。
『みつけた』んじゃなくて、 最初から……あたしのなかに……っ
だから、澪音さんの名前を知れば、 むこうも名前を……
なら、この呪文は……あたしに関係が?
(200) 2016/10/04(Tue) 05時頃
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[少しの間、ぶつぶつとつぶやき、思考をまとめると、 澪音に向き直り、こっくりと頷いた]
……"別"だけど、"同じ"。 うん、たぶん、そう。 だから、あたしが止めないと……。
ごめん、ちょっと電話かけるね。 確かめたいことがあって。
あ、澪音さん……ありがとう! すっごい、いいヒントだったかも。
(201) 2016/10/04(Tue) 05時頃
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[財布のカードポケットから1枚の名刺をとりだし、 携帯に番号入力した。発信]
……もしもし、*木露せんせいのお電話ですか?*
(202) 2016/10/04(Tue) 05時半頃
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お針子 ジリヤは、メモを貼った。
2016/10/04(Tue) 09時半頃
お針子 ジリヤは、メモを貼った。
2016/10/04(Tue) 09時半頃
お針子 ジリヤは、メモを貼った。
2016/10/04(Tue) 09時半頃
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/*かぎりな赤COにみえる〜。ごめんなさーい!
(-54) 2016/10/04(Tue) 10時頃
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お針子 ジリヤは、メモを貼った。
2016/10/04(Tue) 10時半頃
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[自分の事になると急に歯切れが悪くなった照子を尻目に、スマートフォンをポケットから取り出す。 振動と共に表示された番号は、昨日ダンボールの看板に書かれていた数字と同じだった]
はい、木露です。 ……あっ、ちょっ。
[通話を開始したタイミングで、照子がお札をテーブルに叩きつけた。 早足で入り口に向かおうとするその背中を慌てて追いかける。 足を引っ掛け転んだ照子を、地面に衝突する寸前で空いた左腕で抱えるように止めた]
(203) 2016/10/04(Tue) 12時頃
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[丁度その場所の真ん前。 二人がけのテーブルに座る少女と目があった]
あ……やあ、昨日ぶり、それとも今朝ぶりかな? 今度は刺さないでおくれよ。
[冗談めかした口調が、二つに重なってジリヤの耳へと*届けられた*]
(204) 2016/10/04(Tue) 12時頃
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─ 新宿通り傍、喫茶店内 ─
…、
[半端に立ち上がりかけた姿勢のままだった膝が折れて 背中に背もたれがぶつかる。]
今の……
[追いかけるには機を逸してしまった。 もらった名刺を引き寄せる。 それを、呆然と硝子越しに見下ろした。]
(205) 2016/10/04(Tue) 12時半頃
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……
すてき……
(*4) 2016/10/04(Tue) 12時半頃
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[追いかけなかったのは、失敗だっただろうか。 そんな思考が脳裏をめぐる。 けれど、なんだか、気おされてしまった。
痩身が去っていった方を眺めて、 はあ。と息を吐いた。]
(206) 2016/10/04(Tue) 12時半頃
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