人狼議事


296 ゴールイン・フライデー

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視点: 人


【人】 公安部 カガ


[土曜の朝は惰眠を貪る。
 瞼を閉じたって夢の中で出会える訳でもないのに
 まだ特別な金曜日の余韻に浸っていたかった]
  

(34) 2019/05/18(Sat) 02時頃

【人】 公安部 カガ

[グラス越しに眺める横顔。
 息を潜めて気取られないように注意を。
 それも唇を湿らす果実酒と
 香辛料の効いた仔羊を楽しむ間に
 緊張は徐々に紐解けていった。
 
 耳を欹てれば声が聞こえる。
 声色から唇の形まで脳裏に浮かべて
 想像力を無駄遣いする自分に呆れた]

  あの人と同じものを一つ。
  ……美味しそうだから、欲しいんだ。

[我慢出来なくて注文する辺り堪え性がない。
 普段器用に舌が回っているならば
 もう少し上手に立ち回れるだろうか。
 同じものが並ぶまでの間すらも恋しくて
 先に選ばれ含まれる一口が羨ましい。
 そんな、浅ましい夢想に耽るなんて
 酒も飲めない子どものようだと思えた]

(35) 2019/05/18(Sat) 02時頃

【人】 公安部 カガ

[見てはいけない。
  ――夢中になって盲目になるから
 声をかけてはいけない。
  ――抑えが効かなくなってしまうから。

 もう二度と会いたくなくて
 会えない時間が恋しくて苦しくなる。

 そんな感情を自らが抱いてしまうなど
 少女よりも歳上の妹を持つ男として、
 あまりにも滑稽じゃあないか]

(36) 2019/05/18(Sat) 02時頃

【人】 公安部 カガ


[フォークとナイフを動かす。
 口を開けて肉を噛んで咀嚼して舌を鳴らす。
 甘美なフォルマッジを使ったチーズケーキも
 濃厚なコクを舌に乗せてくれる料理も
 生きる為の行動に甘美な理由づけをして
 広がる旨味に目許は喜ぶというのに。

 ふと気づくと探してしまう。
 視線を逸らしながらも願ってしまう ]
 

(37) 2019/05/18(Sat) 02時頃

【人】 公安部 カガ


  ( ただの一度だけでいいから俺≠見て 
    それから、……  それから )

  [今日もあなたに触れられる夢を見る]

(38) 2019/05/18(Sat) 02時頃

【人】 公安部 カガ

[愛を綴った文章の残骸。
 書きかけの小説の完成は今も遠いまま
 彼を想うだけの言葉はとても綴れず、

 堰き止めたばかりの想いだけが時折、
 痛みと共に胸に走っていく。

 それでもきっとまた次の金曜日は訪れて
 目許の赤を酔いを酒のせいだと誤魔化す未来が
 ありありと見えるような気がして瞼を閉じた。

 陽の光から今だけは流れるように
 どうしようもない苦さは特別な夜の名残だと
 何度も何度も言い聞かせながら唇を噛んだ]**

(39) 2019/05/18(Sat) 02時半頃

【人】 公安部 カガ

[もう少しお喋りが得意だったら?
 それとも見合うだけの何かがあれば?

 少し視線が合ってしまうようなら
 薄っすら笑う事しか出来ない男も
 靴を着飾った服を脱いでしまえば
 裸足を晒してシーツを蹴り丸った。

 原稿の締め切りは近づいている。
 だがまだ、続きが書けそうにない。

 この想いをそのまま吐き出してしまえれば、
 少しは楽になるのだろうか。
 誰にも打ち明けられない秘密。
 
 そんな時妹が結婚するのだと報せが届いて
 また一つ打ち明ける機会を失ってしまうなんて
 世界全体にとっては些細な出来事も味わいながら
 鼻を鳴らして笑ってしまった]

(41) 2019/05/18(Sat) 02時半頃

【人】 公安部 カガ


  本当に、……面倒臭いな。
  
[口が寂しくて仕方がない。心も疼いて落ち着かない。
 落ちたくない底に沈みながら飴を砕いた]**

(42) 2019/05/18(Sat) 02時半頃

【人】 公安部 カガ


[日曜日。
 実家から逃げるように離れ疎遠になった筈の
 妹が自宅の前に立っては微笑んでいた。

 これが金曜の夜じゃあなくて良かった。
 土曜の朝じゃあなくて良かった。
 心底安堵しながらも昼食に誘った。

 トマトとバジルがたっぷり乗ったブルスケッタ、
 ズッキーニの花のフリッティに
 ムール貝とイカや海老の入ったペスカトーレ。

 デザートに芳醇な味わいのティラミスを提案し
 身なりはいつも通り整えてながら向き合った]

(61) 2019/05/18(Sat) 20時半頃

【人】 公安部 カガ

  バレていないと思っていたんだけどな。

[とうもろこしとじゃがいもの冷製スープを
 口に含みながらも妹は愛らしい顔を緩ませた。
 彼女の手にあったのは一冊の本。
 表紙を見て顔を覆いたくなってしまった。
「これ、兄さんが書いた本でしょう?」
 問いかける妹に何を告げてた所でお見通しだろう。
 仕方なく頷きながらも新しく作った砦が
 また一つ足場から崩れるような気がした。

「呼んだけどとても素敵なお話ね。
 はじめて恋を知った男性が女性と結ばれるまでの
 葛藤や苦悩がとても共感できたもの」
 妹は楽しそうに笑って語る。
 愛しく可愛い俺のソレッラが微笑む。
 顔を覆いたくなってしまった。

「兄さん、恋をしているのね」
 聡い彼女に言い当てられてしまうから]

(62) 2019/05/18(Sat) 20時半頃

【人】 公安部 カガ


[「どんな人?会いたいわ」

 薬指に銀色の指輪を煌めかせながら
 緩やかに微笑む妹は心配そうな顔をしながらも
 兄を純粋に慕っていると伝わってくる。
 今だって妹からすれば兄を想っての事なんだろう。

 だが、どうすればいいというのだろう。
 結婚を控えた妹に兄は異性愛者ではないと
 どのような顔をぶら下げて告げればいい]

(63) 2019/05/18(Sat) 20時半頃

【人】 公安部 カガ


  俺の、片思いだからな。

[結果、はぐらかすような態度で返す。
 妹は数度の瞬きの後に口を開いた。

「兄さんは素敵だもの。
 想いをアプローチしたらきっと届く筈。
 怖がる必要なんてきっとないもの」

 どれもこれも綺麗な言葉だ。
 ステラのように美しい心だ。
 だが、同時に違うのだと叫びたくなる。
 君が思っているように単純な話ではないと]

(64) 2019/05/18(Sat) 20時半頃

【人】 公安部 カガ


  ……見ているだけでも満足なんだ。
  少し話せただけでも舞い上がりそうになる。

  そんな、……関係で、繋がりがいいんだ。
  
[妹は兄の顔を見て黙ってしまう。
 見透かされている。
 だが、微笑めば妹は無理に踏み込んだりはしない。
 その優しさに安堵しながらも息を吐いた]

(65) 2019/05/18(Sat) 20時半頃

【人】 公安部 カガ


  何処にいてもお前の幸せを願ってるよ。

[話の中心を自分から妹に戻してしまう。
 何か言いたげな様子に気づかないふりをした。

 心より愛しい妹の花嫁姿を描きながら
 自分では必ず手に入らないであろう幸福を
 その身に浴びることを祈る]

(66) 2019/05/18(Sat) 20時半頃

【人】 公安部 カガ


[それでいてふとした時に紛れ込むのはあの人の横顔。
 ――ああ、本当に手に入らないんだな、など。
 甘ったるいティラミスが苦く感じられて
 兄の名前を呼ぶ妹に笑ってしまった。

 だから会いたくなかった。
 あの小説だって不純の塊なのだ。
 思いの丈を綴り続けた結果の産物。

 昇華されるかと思っていた想いは
 寧ろ膨れ上がって今も喉を圧迫する。

 息さえ上手く吸い込めないこの世界で
 どう生きれば正しいのか答えは得られないまま]

(67) 2019/05/18(Sat) 20時半頃

【人】 公安部 カガ


[次の金曜日が待ち遠しくて恐ろしかった]**

(68) 2019/05/18(Sat) 20時半頃

【人】 公安部 カガ


[紙面に書き綴る言葉はいつだって足りない。
 呼吸をするより容易く語る彼に向けた恋文は
 やはり形にならないまま千切れていった。

 自分が異端であると、気づいたのはいつからか。
 物心ついた頃より女性に対して可愛らしいと思えど
 愛しいと思うような強い感情は抱かなかった。
 ただ希薄で淡白なだけだと思っていた。

 そんな考えが打ち砕かれたのは
 脳髄に走るような衝撃のせい。
 何処が良かったのか。何が良かったのか。
 うまく言葉に言い表す事は出来ないけど。

 言うなれば、――そう]

(104) 2019/05/19(Sun) 04時頃

【人】 公安部 カガ


  誰かに恋したような目に見惚れた。

[理由なんて、本当アテにならなかった]

(105) 2019/05/19(Sun) 04時頃

【人】 公安部 カガ


[ずるずると引き摺り延長線に留めた想いは
 今日で最後にしよう。
 妹は年内に式を挙げると言っていた。
 ならば妹を迎える為の準備が必要だ。

 いつも通り髪を整える。
 今日は珍しく靴なんか磨いて向かった。

 道中若い女性二人とすれ違う。

 立ち止まり明け暮れる話の内容よりも
 彼女達の表情があまりにも眩かった]

(106) 2019/05/19(Sun) 04時頃

【人】 公安部 カガ

[金曜日。
 とうとう締め切りも近づいてきており
 担当に何とか謝罪を決め込みながら向かう。
 夕方の最終便の名残だろうか>>0:2
 街路を歩む度にバターの香りが漂ってきた。

 もう少し硬い格好で行けば良かったか。
 それともラフな服装の方が好ましいのか。

 何にも知らない。
 離れた場所で微かに聞こえる声と
 此処で盗み見る横顔以外詳しい事は何も。
 それだけで満足の筈だった。

 これが一体恋に恋しているのか
 それともあの人自身に恋をしているとか

 そんな事すら曖昧に溢れてしまいそうな
 狂った段取りの帳尻を合わせるよう扉を開く]

(107) 2019/05/19(Sun) 04時頃

【人】 公安部 カガ


  今日で最後。

[もう何度目か分からない決意を一つ置いて
 カランと扉が音を立てた]

  一人で窓の見える所がいいな。
  人が多ければ相席でも良いけど。

[普段から多人数で食事をする事は少ない。
 人を連れてきたのは妹くらいだろう。
 それも妹から強請られて仕方なく]

  ああ、今日はいないよ。
  でもまた来たいって言ってた。

[伝言を伝えれば視線は彷徨って一点を見据えた。
 目が見開かれてそれから唇を引き結ぶ。
 いけない。間抜けにも口許が緩みかけた]

(108) 2019/05/19(Sun) 04時頃

【人】 公安部 カガ

[どれだけ素直なんだと咳払い一つ。
 急いで視線を逸らせば案内されるまま席へ。

 ワイングラスが届くまでの数分間。
 酔ってもないのに耳が熱くて堪らない。

 そんな幸せで面倒くさくて拗れた夜が始まる。

 神様がもしこの場にいるのであれば
 一層この想いごと奪い去ってくれたらいい]

(109) 2019/05/19(Sun) 04時頃

【人】 公安部 カガ


[そうすればこの病は治るのだ]

  あの人と全部同じものがいい。

[あの人しかか映さない目と心の病が]**

(110) 2019/05/19(Sun) 04時頃

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