人狼議事


296 ゴールイン・フライデー

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【人】 公証人 セイルズ

[週一で通いつめれば自然と顔見知りも増えてくる。
調子はどうだい? なんて他愛のない挨拶をして話に混ざるもよし
と言っても、俺は一人でゆっくり食うほうが好きだったが。

「知ってるかい? ドイツじゃシュパーゲルを食べるのは聖ヨハネの日までなんだとさ。」
レモンバターを添えたそいつを突きながら常連の一人がそう言った。
採り過ぎちまうと翌年の収穫が減るから、って理由を聞いて、ドイツ人らしいと笑ったもんだ。
と言っても、その決まり事はドイツ産の物だけで、輸入物は食うんだと言うから
やっぱり美味いもんの魅力には勝てないモノらしい。

瓶詰めや缶詰もあるけれど、茹でたての美味は今だけの物。
旬の盛りが一番なのは、どんなものでも同じだろうが。]

(43) 2019/05/18(Sat) 02時半頃

【人】 公証人 セイルズ

[そう、旬の盛りが一番魅力的なのは人間も同じ。
そう考えるんなら、俺はその旬をとっくに過ぎちまってる自覚はある。
その俺が旬真っ盛りのガキみたいにただ一人を追いかけてるんだから笑えない。

一人でゆっくり、なんてのは口実だ。
あの人の姿が見えたとき、目が無意識に追っちまうのを誰にも気付かれないように
向こうに気付かれないように不自然に視線が彷徨っちまうのをつつかれないように
ああ、まったく面倒くさいと、わかっちゃいるのに止められない。
俺から見ればあの人は旬真っ盛りに見えるが俺はそうじゃない
釣り合わないと自覚している舌先に乗る酒はほんのりと苦い。

他の常連客のように気楽に声を掛けられたら、なんて考えて
無駄なことだと首を振る。
俺の事を知られたら、この想いに気付かれたら
このささやかな逢瀬さえなくしてしまう、それが怖かった。
こうして週に一度顔を見られる、それだけで俺は……――]

(44) 2019/05/18(Sat) 02時半頃

【人】 公証人 セイルズ

[――……満たされる、なんて、自分に嘘をついて]

(45) 2019/05/18(Sat) 02時半頃

【人】 公証人 セイルズ

[だから、どうか気付かないで欲しい
そんなささやかな願いと共に食後のエスプレッソを飲み干して席を立つ。

また、次も会えるようにと胸の中で祈りながら。**]

(46) 2019/05/18(Sat) 02時半頃

【人】 公証人 セイルズ

[金曜の夜に贅沢をする分、土曜の食事は思いっきり簡単に済ませる。
金銭的な問題じゃない。
タヴェルナはあれだけの物を出していながら価格は良心的だ
上手くやりくりすれば週一で通える程度には。

つまりはといえば食い過ぎだ。
料理が美味いのはもちろんだが
あの人の姿が見えなければ現れるまでと小皿料理を並べ
姿が見えたなら、少しでも長く同じ空間に居たいとドルチェを追加する。
普段は暴飲暴食なんざしないが、金曜の夜だけは仕方がない。

となれば、他の日に調整するしかないだろう。
中年太りになんぞなっちまったら、あの人に会いに行くのも怖くなる。
隣に立つなんて、そんな事は望むべくもないけれど
それでも、なんて夢を見ちまうから、やっぱり恋は厄介だ。]

(80) 2019/05/18(Sat) 23時頃

【人】 公証人 セイルズ

[いつも一人でいるように見えるあの人には、もしかしたら家族がいるのかもしれないし
想いを寄せる相手がいるのかもしれない。
時折物思いにふけるように見えるのは、仕事疲れかもしれないし、悩みがあるのかもしれない。
金曜の夜の、タヴェルナでの姿しか俺は知らない。
何処で、どんな仕事をしていて、どんな暮らしをしているのかも。

それでいい、知ってどうする。
そう思いながらも考えちまうんだ
隣同士で言葉を交わしあい、同じ料理を摘む日を。
あの人の目が俺を見てくれるなんて事を。

そうして
いつか、なんて。
叶うはずのない想いは募るばかりで行き場がなくて
無意識についた溜め息に同僚が笑う。

「なんだ、年甲斐もなく恋でもしたか?」

まさか、と俺は笑い返して、いつもと同じ言葉を投げる。
動揺が面に出ていないといい。ああ、まったく。]

(81) 2019/05/18(Sat) 23時頃

【人】 公証人 セイルズ

[学生時代、やたら日本贔屓だった教授が教えてくれた短い詩歌を思い出す。
日本語なんかわからなかったが、その意味は

 『人に知られぬように隠してきたのに
     何かあったかと問われるほど面に出ていたのか
       この恋心と言う物は』*]

(82) 2019/05/18(Sat) 23時頃

【人】 公証人 セイルズ

[そうしてまた金曜がやってくる。
取引先とのトラブルやクレームがないことを祈りながら
データをパソコンに打ち込み書類を片付け、壁の時計を確かめる。]


 おーい、その書類は俺じゃなくて総務に持ってけ。
 は? 一応上司のサイン貰って来いって?
 しゃーないな、ほら寄越せ。


[ぎりぎりになって渡された書類に目を通し、幾つかのやり取りをしてサインをする。
別部署と言っても同じフロアだ、そう時間もかからない、が。
終業のベルにやれやれと息をついて、残りの書類を手早く片付ける。]

(87) 2019/05/19(Sun) 00時半頃

【人】 公証人 セイルズ

 そっちの書類、突っ返してきても対応は月曜だから!


[などと、帰る!と言う意志を明白にすれば、総務からはOKのサインが返る。
業務が固い割りにこういうところは緩い。
順調だからこそで、日ごろの努力の賜物でもある。
もちろん、全ては週末のために。*]

(88) 2019/05/19(Sun) 00時半頃

【人】 公証人 セイルズ

[外に出る前に手洗いに寄り、ついでに鏡を見た。
身だしなみだの今更気にしても、くたびれかけた外見は変わらない。
それでも一応は髪を撫でつけ、ついでにしっかり眼鏡も拭いた。
ネクタイを直しかけて、もう一度鏡をじっと見る
そこに映るのは、何処にでもいるただの会社員だ。

もしあの人がこっちを見ても、印象に残らない程度に普通の

見て欲しいわけじゃない、覚えて欲しいわけじゃない
そんなのは高望みだってわかっちゃいるんだが]


 やっぱ、ちっとお堅い人間に見えちまうかなぁ……


[あの人の服装は、いかにも会社員然とした俺とは違うもの。
俺より多少は自由なのかもしれない
それも惹かれる一因ではあったけれど、同時に躊躇う理由でもあった。]

(89) 2019/05/19(Sun) 02時半頃

【人】 公証人 セイルズ

 ま、いいか


[今のまま
顔を見られて同じ空間で食事が出来る、金曜の夜が続けばいい。
その為には、これ以上は何もしない方がいいに決まってる。

それでも、やっぱり未練がましく思ってしまう。
声をもっと聞きたいと、もっと近くで顔を見たいと

そして、出来れば……触れて、その体温を……なんて。
絶対にあの人に知られたくない願望は、しっかりと胸の奥底に沈めておこう。]

(90) 2019/05/19(Sun) 02時半頃

【人】 公証人 セイルズ

[外に出て空を仰ぐ。
いつか、二人で空を見上げられたら、なんて過ぎったのを自嘲気味に追い出して
期待と不安を抱えながら、今週もタヴェルナのドアを開けるんだ。]


 やあ、席は空いてるかな?
 何処でもいいよ、何なら相席でも。


[あの人と一緒じゃなければいい、近すぎたら食事どころじゃなくなりそうだ。
そう思いながらも、結局視線はあの人を探す。

神様は、今夜も微笑んでくれるだろうか?**]

(91) 2019/05/19(Sun) 02時半頃

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