22 共犯者
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[ 長い語りを終えて、最後にぽつりと呟いた言葉。 それは、慨嘆や悲哀ではなく、単なる事実を確認しているかのように落ち着いた、平淡なものだった。」
(*13) 2010/08/07(Sat) 16時頃
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>>*14
何とも戦っていない。
俺は、最後の祭祀を行うためにこの森に還って来た。 我らが聖地に、聖なる森の神々に、消えていった同胞たちに、捧げる最後の儀式を。
(*15) 2010/08/07(Sat) 16時半頃
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[ 彼は同胞を観察するが如く、じっと沈黙している。」
(*17) 2010/08/07(Sat) 16時半頃
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>>*16
窮鼠猫を噛む、と言う諺もある。 気をつけろ。
[ 少し間を置いて、」
オスカーは思ったよりも脆弱だった…… 見るべきものはもう見た。 お前が仕留めるなら譲る。
(*18) 2010/08/07(Sat) 16時半頃
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恐らく最も手ごわいのは、ミッシェルだ。 彼女は冷静だ。 彼女こそが、誰よりも「戦士」の称号に相応しい。
[ 賛辞を送りつつ、温度のない眼差しが彼女を追っている…]
(*19) 2010/08/07(Sat) 16時半頃
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―午後・礼拝堂>>203― [ トニーの淹れてくれた茶を啜りつつ]
その一番目の「村の他の誰か」ってニールさんは具体的に誰かを想定していたのでしょうか……。 もしかして、アルフレッド村長がミツカイサマに殺されたのでは、と考えていたのかも?
二つ目の契約の破棄、ですけど。 それは、元々の契約が何であるかの詳細が分からないと、ミツカイサマにお願いできない気はしますね……。 生前村長の奥さんが新聞記者さんとお話していたのを聞いていた限りでは、何か後世に伝わらないままの部分があるような感じでしたよ?
[ こきゅっと小首をかしげる。]
(206) 2010/08/07(Sat) 17時頃
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―真昼の森>>216― [ 口接けを求めるが如くに口唇を尖らせ、ふっとイアンに息を吹きかける。 触れていないのに体温が伝わる距離、僅かな動作でさえ空気がその振動を皮膚に伝える。 するりと手が滑り込み、換えたばかりのシャツのボタンをわざと見せ付けるようにゆっくりと外していった。]
何故抗う?
[ 「それ」は彼の内心の抵抗を見抜いたかのように嘲笑った。]
(222) 2010/08/07(Sat) 21時頃
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―午後・礼拝堂>>217―
いいえ、こちらこそ。ご馳走様でした。 とてもおいしかったです。 ブルーノ司祭によろしくお伝え下さい。
[ うっすらと目を細めて笑いかける。 と、トニーに問われ>>218、その微笑がふっと翳った。]
……そうですね。 もし……もし、あなたの好きな人が友達を殺め傷つけた人なら……
いえ。止めておきましょう。
[ ゆるゆると首を振り、自分で打ち消した。]
(223) 2010/08/07(Sat) 21時頃
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―自宅― [ 一度自宅に戻った彼は、5年近く生活していた自室の真ん中に立ってぐるりと見回した。 まるで長い旅に出るかのように整然と片付けられ、ここに誰かが住んでいたという生活感は消えていた。 階下に降り、いつも通りに工房を閉めたが鍵は掛けなかった。
そうして彼は曇天の夕暮れ、広場に向かって出発した。]
(231) 2010/08/07(Sat) 21時半頃
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―真昼の森>>225― [ 寛げられた襟の下、まだ塞がり切らぬ赤い傷痕に、何故抗うと問うた顔が迫る。]
……こんなに熱くなっているのに。
[ 尖った舌が固まった血を舐め取り、新たに滲み始めた鮮赤を啜った。 その間も、両手はイアンの身体の上を、その輪郭と肉の確かさを貪るように這う。]
(234) 2010/08/07(Sat) 21時半頃
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―夜・広場― [ 彼が姿を現したのは、かなり時間が立ってからだったに違いない。 既にそこには、ミッシェルやテッドが来ていた。 こんばんは、と短い挨拶だけして、森に目を向けた。]
(235) 2010/08/07(Sat) 21時半頃
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>>*16>>*17 [ 随分と経ってから、彼はぽつりと呟いた。]
お前がこの村の生まれであれば、最後まで言わないつもりだった。
(*20) 2010/08/07(Sat) 21時半頃
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ランタン職人 ヴェスパタインは、空気が違うことを感じ取っているらしく、いつも以上に緊張した面持ちだ。
2010/08/07(Sat) 21時半頃
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―夜・広場― [ 剥きだしになった敵意が一人に集中している。 ヴェスパタインは彼らの視線を追い、その先の人物を目にして眉を顰めた。]
――ああ、なるほど。
[ 間近の者に聞こえるか聞こえぬかの小さな呟き。]
(239) 2010/08/07(Sat) 22時頃
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―夜・広場>>241― いえ。何があったのか、と思っただけです。
――あなた方はヘクターさんを疑っているんですね? やはり彼が手引きしていたのですか?
[ 確認するように尋ね返した。 あくまでテッドに語った疑惑の路線で行くつもりのようだ。]
(247) 2010/08/07(Sat) 22時半頃
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―真昼の森>>245― [ イアンが淡い息を吐きながら目を逸らす様を嘲笑うかのように、傷をなぞる口唇と舌先は徐々に胸から腹へと降りていく。 一足先にイアンの下肢に辿り着いた手は、彼の欲望が秘められた箇所を束縛から解放しようと動く。]
(251) 2010/08/07(Sat) 22時半頃
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―夜の広場― “人じゃない”……ですか? まさか、本当にミツカイサマが存在していると言うんですか?
[ 驚愕より懐疑が先に立つ声、眉を思い切り顰める。]
事実だとして、どうやってそんなことを知ったんですか?
(257) 2010/08/07(Sat) 22時半頃
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―夜・広場― [ そう言えば今気付いた、というようにテッドの腰の古風な剣をまじまじと見詰め、怯えた表情を浮かべた。]
(260) 2010/08/07(Sat) 22時半頃
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―真昼の森>>262― [ 制止するように置かれた手を見遣り、次に目を覆い隠したイアンの顔を凝視する。]
これ、でもまだ抗うか。 [ 焦れているようでもあり、硬い殻を割ることに愉しみを見出す類の、性質の悪い興をそそられているようでもあり。 唇に刻まれたせせら笑いは消えぬ。]
お前の欲しいのは、あくまで「言葉」――と言うつもりか。
(268) 2010/08/07(Sat) 23時頃
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―夜・広場― [ トニーとミッシェルの会話を聞き、そんな…と絶句した。口元に手を当てて深く考え込む仕草。]
そんなことがありえるのですか…? まさか、マーゴさんは……
(269) 2010/08/07(Sat) 23時頃
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―夜・広場―
そろそろ時間ですか?
[ 鐘の方角に顔を向ける。 日の名残も失せ、黒雲に覆われた空では星も月明かりも望めない。 森ではこれまで以上に暗く、視界が悪くなるだろう。]
(273) 2010/08/07(Sat) 23時頃
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>>*21 [ 僅かの沈黙。 暫しの間瞑目し、]
……すまないな。
[ それだけを言葉に。]
(*22) 2010/08/07(Sat) 23時頃
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―真昼の森>>270― [ イアンの足元に跪き、その顔を見上げる。 身を守るための両手を離し、無防備に立ち尽くす彼を。]
お前は嘘吐きだ。
[ 全ての笑いを消した真剣なふたつの眼。 やおら、イアンの胸にむしゃぶりつくと、既に曝け出された傷口を最前よりもきつく吸い、舐め上げ、血を搾り取る。]
(278) 2010/08/07(Sat) 23時半頃
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>>*23
そう、だな。 生きて共に。
[ まるで、それが可能だと心から確信しているかのように。]
(*25) 2010/08/07(Sat) 23時半頃
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―昼間の森>>278―
お前の生命の雫を。 お前の、味を、もっと知りたい。
[ 傷口から口を離し、荒げた呼気の合間から囁き。 そして、急に乱暴に身を離した。]
(281) 2010/08/07(Sat) 23時半頃
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―夜・広場― やはり、行かねばなりませんか。
[ 嘆息。 鐘がゆっくりと鳴り響く。 彼はランタンを確かめ、火を灯すと、先頭のテッドに続いて森に足を踏み入れた。]
(282) 2010/08/07(Sat) 23時半頃
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>>*24
ああ。また後で。
[ 短い応え。ややあって、付け足すように、]
――ヘクター。 ありがとう。
[ 本物の感謝が滲んでいた。]
(*26) 2010/08/07(Sat) 23時半頃
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―夜の森― [ 背後で銃声が轟く。>>204 振り返るより早く、前にいたテッドが音のした方向へ掛け戻っていく。>>279]
今のは……
[ さっと顔色が変わる。]
(289) 2010/08/07(Sat) 23時半頃
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―真昼の森>>285― [ 饒舌なイアンの言葉。 それを否定するように、彼は倣岸に頭を高く掲げた。]
行け。また巡礼の刻が始まる。 お前はそれを見に来たのだろう。 我らの狩りをとくと見分するがいい。
[ 平静な声音で告げると、踵を返した。]
(296) 2010/08/08(Sun) 00時頃
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―夜の森― [ 引き摺る足が許す限りの速さで、戦いの場に向かう。 足の遅い彼が辿り着くのは一番最後、既にヘクターがオスカーとテッドのふたりを相手に派手に血を流している場面だ。]
これは……
[ 血の気を失った唇を噛み締める。]
(302) 2010/08/08(Sun) 00時頃
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>>303 やはり、時は戻らない。
[ テッドの叫びを耳にして、彼は小さな呟きを落とした。]
(*27) 2010/08/08(Sun) 00時頃
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