147 書架の鳥籠
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願いを叶えて、 私は…戻らねばならない。
魔女を殺されては、 願いどころではないのだ。
[そもそも、魔女を殺すための条件は我々の死であって、]
―――… 私が死んでは 意味がないのだよ。
(*3) 2013/10/07(Mon) 13時頃
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[死んだ妻と子に、もう一度、命をと。 そう魔女に願った男は、 強く意志を持った声を響かせる。]
(*4) 2013/10/07(Mon) 13時頃
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[かくも魔女とは恐ろしく、人の心の弱い部分に入り込む。 それに吞まれてしまった男は、叶えられた願いに縋りつく。
叶えられてしまったからこそ、 もう、今度こそ ――― 失いたく、ないのだと。]
(*5) 2013/10/07(Mon) 13時頃
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決めなければな。
[まだ魔女は満足していないのだ。
サイモンだけでは、 レティーシャだけでは、 ――― 足りないのだ。]
(*6) 2013/10/07(Mon) 13時頃
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[誰を人形にしていけば、より満足してくれるのだろうか。
正体を気付かれずに、犬に食われずに、 私は、――― また 人形にしなければ、ならない。]
……
[サロンを見回して、誰を、と 考える。]
(*7) 2013/10/07(Mon) 13時半頃
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[誰を。 そう、見る力、守る力、それらは邪魔なのだ。
だから、探偵気取りで人を惑わす。]
(*8) 2013/10/07(Mon) 13時半頃
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[よくやった、褒めてくれたのに泣いていた自分は何も返せなかった それを気にするように、おずおずと掛ける声]
リア、占い師、とかなのかな? ……どうしよう?
(*9) 2013/10/07(Mon) 16時半頃
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――…、グロリア嬢だったか。
[静かに響く声に抑揚はない。 彼女がそうなら、自分には危険な存在である事には変わりなく]
さて、見つかってしまったな。 シメオン君。
(*10) 2013/10/07(Mon) 16時半頃
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…、我々は 生きねばならない。 殺されては、叶えられた願いごと消え去る。
ならば、――
[それなら、と。 シメオンの言葉が、こちら側の聲が聞こえれば]
白を切るよりは、 …対抗する方が 得策ではないかな。
(*11) 2013/10/07(Mon) 16時半頃
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ね、ねぇオズ…これでいい?
[また奪われる、その不安で怯えた幼子のようになっている]
やだな、やだ、怖いよ……
(*12) 2013/10/07(Mon) 17時頃
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―― 良くできたな、シメオン君。
[いつもと変わらぬ口調でシメオンへと聲を届ける。]
頭を撫でて褒めてあげることも 抱きしめて落ち着かせてあげることも 今は叶わない。
それでも、私は ここにいる。 シメオン君は1人じゃない。
だから、恐がることなど何もないさ。
(*13) 2013/10/07(Mon) 17時半頃
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よ、良くできた……? うれ、しい。
[掛けられ慣れない言葉に思わずオズワルドを見るが、丁度彼の"推理"が始まったところなので問題は無かったか。 ぎこちなく、素直な言葉を口にする。 そんな風に両親にも言ってもらいたかった。頭を撫でてもらいたかった――]
うん、うん、一人じゃない、よね……
ありがとう、ありがとう。
[一人じゃない、その言葉がどうして深く心に染みるのか 「弟に会いたい」言葉のまま願いを叶えられ、人形と化した弟に会い、それを無理矢理に幸せなのだと自分に思い込ませたシメオンには、分からなかった]
(*14) 2013/10/07(Mon) 22時頃
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…、状況は傾いたまま、か。 厳しいな。
[ふむ、とひとつ唸る気配。 けれど、さほどそこに悲しさは滲まない。
このままでは、シメオンが――と、解っているのに。]
ひとりではない。 …違うな。
ひとりには、させないよ。 シメオン君。
(*15) 2013/10/07(Mon) 22時半頃
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……どうしよう
[シメオンは焦りの気配を漂わせ、おろおろと]
……オズ?
[しかし彼からはそういったものを感じない]
オズ、何か作戦があるの……?
[そんな様子で一人にさせないという彼を、そういった風にシメオンは取った]
(*16) 2013/10/07(Mon) 22時半頃
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策か。…シメオン君を援護はしても、 人の感情まで動かすには至らなければ、
ここで策は尽きて 君は、獣に喰われてしまうのだろうな。
(*17) 2013/10/07(Mon) 23時頃
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ごめんね
ごめんね……
[意味も無い謝罪が声となり届けられる]
(*18) 2013/10/07(Mon) 23時半頃
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謝る事はない。 シメオン君は、頑張ったじゃないか。
…だから、謝らなくていい。
(*19) 2013/10/07(Mon) 23時半頃
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本当の占い師が解った。 …、それだけでも大手柄だよ。
[相変わらず抑揚が薄い声で、]
等価交換…、か。
(*20) 2013/10/07(Mon) 23時半頃
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それは手柄じゃない!リアが先に言い出したんだ!
[どうしてまだこの人は変わらないのか、役立たずと自分を罵らないのか分からなくて泣き叫ぶ]
僕のせいできっとオズも……
[その先は、口に出来なかった]
(*21) 2013/10/07(Mon) 23時半頃
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…、だから 言っただろう。 ひとりには させないと。
[それは既に決められていた覚悟の言葉。]
肉体を奪われた我々は、 こうなった時点で一連托生なのだよ。
私がそこまで推理できていないとでも思ったかい?
(*22) 2013/10/07(Mon) 23時半頃
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……そんな
[意味を理解すれば、何も言えなくなった。 レティーシャの父親のようだった彼は、15の自分が想像出来ない程に大人だったのだ]
(*23) 2013/10/07(Mon) 23時半頃
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さて、次は私の番――だったな。
[どんな状況であれ、魔女の願いを叶えなければならない。 それはまるで、呪い、のようだと自嘲気味な思考をする。]
(*24) 2013/10/07(Mon) 23時半頃
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大切な仲間を悲しませた罪は、 大きい。
[故に、術を使う相手はグロリア嬢と決めている。 結果はどちらでも構わない。 どちらでも――結果は、 ]
(*25) 2013/10/08(Tue) 00時頃
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オズ……
[敵じゃないと言える唯一の大人 彼が何を思っているか知った後では、人形にする相手のことを口にする声も、痛ましく申し訳なくしか感じなくて]
……うん、頑張ってね!
[無理矢理元気な声を出した これ以上謝ってもどうしようも無いのだ――]
(*26) 2013/10/08(Tue) 00時頃
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…、シメオン君。 もしレティ嬢に会えたら 伝えてくれ。
[ぽつりと、願いを囁く。]
君は自分が思っているよりも強い子だと。
そして、君との記憶は… 私にとってかけがえのないものだったと。
(*27) 2013/10/08(Tue) 00時頃
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私はね、無理に自分の感情を堪えるのは 大人になってからでいいと思っている。
故に、シメオン君。 君と、レティ嬢は似ている気がした。
そして、わたしは…そういう君達を放ってはおけない。
――― 酷く汚れた大人だと、いうわけさ。
(*28) 2013/10/08(Tue) 00時頃
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……
……オズ
[悪足掻きをしていても、この人がそう言うなら]
……分かったよ、話を聞いてくれたらね
[もう意味はないのだろう、全て]
(*29) 2013/10/08(Tue) 00時頃
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――― 追い掛けはしないよ。
[サロンに留まったまま、聲だけを仲間へと向けて]
けれど、最期の時まで忘れないで欲しい。
シメオン君。 君は1人ではない、と。
…、抱きしめて慰めてあげられなくて すまないね。**
(*30) 2013/10/08(Tue) 00時頃
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……あはは、はは。
オズがお父さんだったら、良かったのになあ。
[それがオズワルドに届いたシメオンの最後の声]
(*31) 2013/10/08(Tue) 00時半頃
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[せめてオズワルドは、正しく叶えられたかもしれない彼の願いは――守りたかった*]
(*32) 2013/10/08(Tue) 01時頃
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