204 Rosey Snow-蟹薔薇村
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[ペチカの鍋の向こう、ソファの傍に見えた脚に、顔を強張らせた。
そうして、視界にフランシスとドナルドを見付け。 苦しげな表情に変わる。
バーナバスに投げた視線は助けを求めるものではない。少年の頃とは違うから。様子を窺うだけ。]
フランシス、ドナ……。
………ラルフの、ことは。
(298) 2014/11/23(Sun) 04時頃
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[トレイルとニコラと。 二人を見遣ってから、体はフランシスとドナルドの正面に向ける。]
結果的に僕のしたことは、………君達から、大事なラルフを奪って しまったことに、 変わりが、ない。
今でも、もっと別の方法があったんじゃないかって――思う。
―――…申し訳、なかった。
[頭を下げた。ぽたりと血が垂れ落ちたが、それでも下げたまま。]
(299) 2014/11/23(Sun) 04時頃
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[何か、声はあっただろうか。
殴られるぐらいの覚悟は、ある。]
………
[部屋に漂う焦げた――…香りに、頭を上げたのとどちらが先だったか。>>297]
(300) 2014/11/23(Sun) 04時頃
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――な、べ!
[ペチカの方へと振り返った。 もくもくと煙が上がっている。
あれは悪い煙。]
トレイル、ニコラ! 離れるんだ!
[鍋の持ち手を掴むとペチカの上からどかした。 覗き込んだ鍋のなかには、―――肉が。]
(301) 2014/11/23(Sun) 04時頃
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[目視した肉の幅は、湯殿で見掛けたものとほぼ、一致している。その事実を口外するつもりはないが。
隠してしまいたかった。]
――…落ち着いて、トレイル。 焦げてるから、……これは、もう……
(303) 2014/11/23(Sun) 04時半頃
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[トレイルはノックスを見ていなかった。
危ないと言う前の鍋に、肉に。 そしてニコラに。注ぐ。]
……二人とも、料理が出来るなんて、 ――えらいね。
けど、 これは……
[留めさせる為に、ニコラを見た。**]
(308) 2014/11/23(Sun) 05時頃
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―ブラウンシュガー/居間―
[鍋の余熱で、肉は焼かれ続ける。 2人で調理していたものだから、ニコラも同意なのだろと思い直す。
これは、誰だ? 生前を知っている。 愛しいから食べる。 生きるために食べる。
それは、どちらも本能。]
(310) 2014/11/23(Sun) 10時頃
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[フィリップの居ない今だからこそ――…]
……トレイル。ニコラ。 場所を変えよう。
それに、僕はトレイルにも謝らなくてはいけない……。
[ニコラを見遣る。その回数が増えている。 胸の重みを忘れていない。]
僕は、ダメな保護者だ。でも、まだ君達の保護者で……居たいんだ、よ。
[苦しげに息を吐き。常のようにニコラに鍋を渡し、2人の手を取ろうとした。**]
(311) 2014/11/23(Sun) 10時頃
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/* トレイルがノックスって言わないの。
こら、ニコラ!どこでそんな言葉を覚えたの!
(-93) 2014/11/23(Sun) 18時半頃
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[バーナバスは――ラルフの一件をどう捉えているのだろう。
そのすべてが一言に籠められているようで、ノックスに重く響く。>>=6]
そう……すべて、馬鹿な僕の、責任だよ。
バーニィ。
[バーナバスは、自分のことを嫌いになるだろうか。何があっても昔のように、味方でいてくれるだろうか。]
(=7) 2014/11/23(Sun) 19時頃
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―オリーブグリーン/居間―
……申し訳、ない。
[静かな憤りの感情。>>318>>319 ただ、ノックスは謝る言葉だけを口にする。 どうして、だなんて。]
……僕が2人の‘保護者’だから、ラルフの為に死んであげられなかった。
最初はトレイルが負わせた傷だから、手当てされた所を見ないと僕も安心できないと、せがんでしまった。
……
[思い出すのは辛いと頭を振り。 髪をかき揚げ、左を見せる。あるべき場所に、ないもの。
何があったか具体的に言える話ではない。少年達の前では。]
(350) 2014/11/23(Sun) 19時半頃
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[話は鍋の臭いで途切れた。
千切れた肉片。>>339 場所を移す前にさっさと食べさせた方が得策かと思い直す。]
分かった。お腹が空いているのだろう? 早く食べて――ん、なに。ニコラ。
[無邪気な声と表情で、唇から発された言葉にノックスは顔を強張らせた。]
(351) 2014/11/23(Sun) 20時頃
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[イイホゴシャの顔をして、ラルフの死についてを話す。 彼を思って、彼の為に、彼を止めたいと――…。
ワルイホゴシャの顔を愛し子に晒して、それでも嫌いにならないと赦してくれたニコラの囁きに、空っぽの胃は欲しいと短く鳴いた。]
……な。
[美味しかったラルフの体液、血肉。 それよりも、美味しいと感じたのは。味を知ってしまったのは――…。]
……
[押し黙る。絞り出す声。]
好き、そう、好きだから、 抑えてしまわない、と……
[いけないのに。この場では、せめて。
気付けばトレイルは距離を空けていた。戸口の方へ。]
(361) 2014/11/23(Sun) 20時半頃
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トレイル!
[離れていく。また遠ざかっていく。 拐われたと思ったニコラは戻ってきてくれたのに。
今度はトレイルが拐われていく。 見えない手に、掴まれて。
――…奪われて、しまう。
そう思ったからこそ、ノックスは戸口に向かった。 けれどトレイルは、手から逃れるように居間から出てしまう。]
待ってくれ、僕の傍から 離れな、いで!
[滑稽だと頭の片隅で思いながら、ノックスは追いかけるように居間を出た。]
(363) 2014/11/23(Sun) 20時半頃
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―マンダリンオレンジ/2階廊下奥―
[追い掛けて、腕を掴んで、引き摺った。階段裏の、死角になるような場所にトレイルを押し込めた。
掴んだ手首ごと壁に手をつく。 彼の背中に己の腹と胸を押し付け、壁との距離を無くそうとする。]
……トレイル。
[唇で耳に触れ、静かに名を呼んだ。 そのままでじっと動かないのは、誰か人の通る気配がないかと探る為。]
(370) 2014/11/23(Sun) 21時頃
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[視線を下ろした先。肩口の布。 指で強く引いて傷口を晒した。
糸で規則正しく縫われた赤い線。周囲の肉はうっすらと腫れているよう。ぺろりと舐めた。この下はもっと美味しいことを覚えている。
鍋で焼いた腕肉よりも、もっと美味しい場所があるのを知っている。トレイルには無用になった所。
肩肉ではなく、その場所を目の前で喰らったら――…分かってくれるだろうか。彼よりも――君が。]
(380) 2014/11/23(Sun) 21時半頃
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……
[思考と欲は、後ろからの声に遮られた。>>372
振り向かずとも誰かは分かる。 不自然に風の鳴る音が、聞こえやしなかったか。>>365
何も言わず、ゆっくりと顔だけ振り返る。徐々に体を開いて、トレイルを背に隠すように。]
(381) 2014/11/23(Sun) 21時半頃
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――…そうだね。
欲情してるよ。衝動は、僕の中に確かにあるから。
[逃げるから追い掛ける。 ニコルの考えた通りの、不幸に至る道を。
背の後ろから伸びた手は、ノックスではなくフィリップを求め。
トレイルへと差し出される手を避けるように動いても>>382、手と手はノックスを挟んで繋がる。
愛し子の表情は分からない。 けれど、見たくないと――思ってしまった。
蘇るのは、ニコラとディーンの。]
(388) 2014/11/23(Sun) 22時頃
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その手を、離してくれ、 フィリップ!
[これは悪い手だから。 もう一方の手に握られたナイフを見て、苦み走った表情を浮かべた。
悪い場所を選んでしまったと思う。]
(391) 2014/11/23(Sun) 22時頃
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/* プリシラがやっぱり賞金稼ぎか……と思ったけど、 もしかして最終日になる可能性大!?
(-114) 2014/11/23(Sun) 22時頃
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[握りあう手を強引に解くように、手の甲で払う。 フィリップの微笑み、優しい声は猫を撫でるよう。
よく知る表情は、まるで鏡のよう。]
……何のつもりかい? フィリップ。
トレイルを殴った手で、首を絞めた手で! 今更のように気遣って。
[初めて聞く冷えた声。]
……君に、言われる謂れは ない。
(401) 2014/11/23(Sun) 22時半頃
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[悪い声だ。
トレイルを何処かへ誘おうとする。
だから。]
トレイル!
[行くなと声をあげ、羽ばたく鳥の、赤羽根に。 目を奪われないよう、フィリップの両肩を掴むように腕を伸ばした。
1歩、踏み出す。]
(406) 2014/11/23(Sun) 22時半頃
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……トレイルの話じゃないよ。
フィリップ。―――君が、何をするかという話だ。
[払う手をずらされた。栗色の髪に触れて。 ナイフを持って。背に落ちる汗の一筋。>>404
こんな笑い方をする子だったか。こんな喋り方をする子だったか。>>407]
もう一度だけ言うよ、フィリップ。
[背に庇っていたトレイルは、今は彼の傍。]
(409) 2014/11/23(Sun) 22時半頃
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僕から、トレイルを拐おうと するな!
[掴めたと思ったのに、服の裾すら逃げていく。 おどけた声とは反対に、ぐっと唇を噛む。]
フィリップ、君がそのナイフを突き付けたいのは、僕だろう!!
[己の胸に手を当てる。ラルフのナイフが至ったところ。>>410 さわるな、ふれるなと睨み、1歩、また寄る。]
(413) 2014/11/23(Sun) 23時頃
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……トレイルを唆しているのは、フィリップ。君だ。
[ラルフの好意は心地好かったのに。 それを利用した。
彼を犠牲にしても、トレイルの願いを叶えてあげた。 それでも彼は――…。
居間の方から響く音に、びくと肩を震わせる。>>416]
………何を、考えてる?
……フィリップ。君はシメオンを――…どうした? あの子はニコラの友達 だった。
[まだ切っ先は愛し子に向けられているから。]
(420) 2014/11/23(Sun) 23時半頃
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ぐ、
[ノックスの足が1度止まった。 選んでない――…。
栗色の髪。見えないシノワズリ。 唇が見えないから、透明な声も――聴こえない。]
……とれ、いる?
[恐る恐る、声で窺う。]
(427) 2014/11/23(Sun) 23時半頃
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[トレイルの名を呼ぶ度、ニコラの表情が曇った。 遠い昔。
不貞腐れる様が可愛くて。可愛くて。仕方がなかった。]
……ニコラにナイフを向けてる者は、居ないよ。 フィリップは、君一人。
[それに、居間にはバーナバスが居る。プリシラに危害が及ばない限り、余程の事がなければ助けてくれるはず。]
(433) 2014/11/24(Mon) 00時頃
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[本当の気持ちと、ホントウの気持ち。建前の気持ち。
わからなぁいと言うニコルの髪を、あの時撫でた。>>374]
嘘。
[ニコラはもう知っている。*]
(435) 2014/11/24(Mon) 00時頃
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/* 5日目はノーミスだと思ったのに……<ニコル
(-125) 2014/11/24(Mon) 00時頃
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[止まった足を動かし始めた。
1歩ずつ、近付いては離れ。 ノックスは護りのような首飾りを握った。]
……ドナルド?
[彼の否定する声が、耳に残っていた。>>355]
僕が行ったら、トレイルを 殺すのだろう? 僕を……生かす? は。報復のつもり?
(439) 2014/11/24(Mon) 00時頃
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