157 南十字四丁目
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――某病院・個室――
[ベッドに座って本を読んでいる。 白い布団に隠された足元は、人体として不自然に凹凸がなく、 災害の後遺症は根深く残る。]
……
[読んでいた本を閉じると、退屈だとばかりに窓の外を見て。 もう見飽きた景色、けれど少しずつ季節の変わる外の様相。 南日本の雪解けの時期は早い。 冬と春の中間で外はまだ寒いが、 春になっても同じように景色を眺めるのだろうかと思うと 少しだけ億劫な気持ちになった。]
(44) bloody 2013/12/28(Sat) 21時頃
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/* 怜歌!怜歌! お外からありがとう! ソワァしながら待ってる!
(-77) bloody 2013/12/28(Sat) 21時頃
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[響くノックの音に、瞬いて。 診察の時間には早いな、と思いながら どうぞ。と小さく促した。
開く扉にゆっくりと視線を移して その人物を視認した瞬間、手にしていた本を、落とす。]
…… 怜歌
[一瞬言葉を失って。 何か言いたいのだけれど 唇が動くだけで上手く言葉にならない。 やがてぎこちなく笑うと、彼女を手招いて、 ベッドのそばの椅子に促した。]
……来てくれた、のね。うれしい――
(46) bloody 2013/12/28(Sat) 21時半頃
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/* >>-81>>-82 あ、ifでやっちゃうのは全然私は気にしませんよ! どうぞ!!w
(-84) bloody 2013/12/28(Sat) 21時半頃
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[空気が穏やかになる。 怜歌という存在がいるだけで、病室が暖かく感じた。]
私も、会いたかった。
[照れくさそうにはにかんで、傍に座る怜歌を見る。 彼女が差し出すブーケ。手を伸ばして受け取った]
ありがとう……とても、綺麗ね。 元気――…うん。
[少しだけ、己の足元を見やっては、軽く瞑目。 怜歌は会いに来てくれた。 あれは夢じゃない――あの悲しい別れは、別れじゃなかった。]
……元気、出さなきゃね。 怜歌がそう願ってくれるなら。
(50) bloody 2013/12/28(Sat) 22時頃
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[ブーケをそっと置くと、ベッドで少しだけ身動ぎ]
……怜歌。 私ね、あの震災で足を……失ったの。 片側の目も、ね。
酷い状態なのに、それでも神様はまだ生きろっていうの。 残酷だわ――……だけど
……わた、し
[そっと怜歌に手を伸ばし、握って欲しいと希うように首を傾げて]
前みたいにしゃんと立つこともできなくなった。 そんな私、だけど ……それでも。
怜歌を、想っても、いいですか。
(51) bloody 2013/12/28(Sat) 22時頃
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――…っ
[優しいことば。 いとおしいことば。 じんわりと目頭が熱くなる。]
……私も、愛してる
[そっと怜歌の頬に手を添えて、くちづけを受け入れる。 触れる――くちびるは、 いつかの別れのキスとは違う、 ぬくもり。]
(53) bloody 2013/12/28(Sat) 22時半頃
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[好き、という言葉が 幸せで、堪らなく嬉しくて。 怜歌を優しく抱き返し、 軽く頬ずりをした。]
ありがとう……ありがとね、本当に。 私、好きだなんて言ってくれる人に 出会えるなんて思っていなかった。
逆にね、誰かをこんなに好きになることも ないと思っていたの。
……でも今は怜歌が愛しくて、しあわせで。
(56) bloody 2013/12/28(Sat) 23時頃
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―――――ね、怜歌
[南十字四丁目で囁いた言葉は形を変えて、 やわらかな音で、彼女に告げる]
二人で、幸せになろう。 私、怜歌を支えたいし 支えて欲しい。
私がたくさん足を引っ張ると思うけれど それでもよかったら
――恋人になってください。
(57) bloody 2013/12/28(Sat) 23時頃
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……うん。
[照れくさそうに笑う。 そっと手を取って、小指を絡ませた。 約束、と。 ずっと傍にいると、いうように。]
離さないからね。 嫌って言っても、そばにいてあげる。
[笑みを含ませて少し悪戯めかす。]
学校あるんでしょう? …でも、退院の時には、必ず来てね。
[それまで頑張るから、と微笑んだ。 怜歌のためなら頑張れる、リハビリも幾らでもすると決意する。後にクリスの話も聞けば、その意識は余計に強くなるだろう>>@4]
(59) bloody 2013/12/28(Sat) 23時半頃
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ふふ。 ずっと一緒ね。ずっとずっと。
[現実はそうはいかないけれど、将来は。 いつかは一緒に暮らせたらいいと、そう思う。]
――怜歌、
[面会時間を考えてくれることも、 退院の日に来てくれることも、 全部うれしい。]
ありがとう。 ……貴女を、ずっと愛してるわ。
[一度南十字四丁目で消えた命が、 再び此処にある奇跡。 ならば最期まで、最期まで――怜歌を愛したいと願う**]
(61) bloody 2013/12/29(Sun) 00時頃
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