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[差し出されたバケツと、 お世辞にも彼に似合うとは謂えない笑み。 けれど初めて向けられた笑みは、嬉しかった。
バケツを両手で受け取って]
ありがとう。 そ、 それじゃあ
[早速、と足を向けようとするが]
其れくらい、貴方の眸を見ていれば、解るよ。
[部屋には入らない、という彼に くす、と零して、とりあえずはいわれた部屋を見に行った。]
(151) 2010/07/03(Sat) 12時半頃
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―― 墓地の小屋・少女の部屋 ――
…
[バケツを抱え踏み入った部屋は。 入ってすぐに、小さな後悔を生む事となる。 それは、彼にとって恐らく"大事"だと思える、 そんな、場所だとすぐに、思ったからだ。]
っ、と
[一度、床にバケツを置いた。 不躾かと思いながらも、気になったのだ。 "墓守の子"というのがどういう子だったのか。
そ、と言われた衣服を探ろうと手は伸びる。]
(160) 2010/07/03(Sat) 13時頃
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[結論から言えば。 其処に在るのはきっと男性の残滓だと思っていた。 けれど、大きさ的にもその線が直に消えた。]
……女の、子?
[幾つかの衣服のうち、 一つを手に取って、広げながら首を傾いだ。 他の衣服も、そう。 少なくとも自身より幼い、子の衣服。]
…
[それ以上の詮索は辞めた。 衣服を元、在った場所に戻し、二度と。 二度と、開く事は無い、と心に刻む。]
(161) 2010/07/03(Sat) 13時頃
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―――、そうだ、行かなきゃ
[言って、バケツへ手を伸ばそうとする。 けれど突如、襲い来る強い、眠気。
くら、と後方によろめいてそのままベッドへ お尻から倒れこみ、臥せる。]
しご、と ……や、だよ これだけはさきに ―――、したい、のに…
[抗おうとするも、抗いきれぬのは、 ナルコレプシーという名の、女が抱える、*罪*]
(162) 2010/07/03(Sat) 13時頃
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漂白工 ピッパは、メモを貼った。
2010/07/03(Sat) 13時頃
漂白工 ピッパは、メモを貼った。
2010/07/04(Sun) 01時半頃
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―― 墓場の小屋・少女の部屋 ――
……っ、ァ
[どれ程の時間、眠っていたのか。 女は何度も、夢を見た。 そのうちのほとんどは、悪夢、だ。 そして決まって睡眠麻痺(金縛り)がついて回る。]
……あぁ
[だから、漏らす声は酷く憔悴していた。 頬に残る涙の道筋を、指先で優しく拭い去る。]
……
[一番最初の夢が、妙に鮮明だった。 未だ過ぎたばかりの現実だからだろうかと整理をつける。 何時も、こうだ。 女は現実と夢の狭間を数多の表情でクロールする。]
(312) 2010/07/04(Sun) 01時半頃
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/*
>>312 『you may crawl』。 このための、伏線でした。
(-59) 2010/07/04(Sun) 01時半頃
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[自身の笑い声で起きる事もあれば、 叫びで起きる事もあった。
そして鮮明な夢は何時も現実の時間を暫し奪う。 心を縛って、離さない。]
………なんでかなぁ。 やっぱり私のせい、かなぁ
……
[漏れた弱音は、諦めに近い色を灯す。 >>235 去来する過去は『殺せ』という人伝いの噂。 現に面と向かって、『死ね』と言われた事もあった。 そして今、リンダが夢の中、『死ね』と言い放ったのだ。]
ごめん、ね――
[そんな事を言う子では無いと解っていても。 漏らさずには居られぬ、謝罪。]
(318) 2010/07/04(Sun) 02時頃
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[ベッドの上で暫し膝を抱え丸まっていた。 時折鼻を啜る音だけが小さな部屋に響いていた。
夢が現実に少しずつ薄れていくと、 漸くベッドからそっと足を地へつけた。 傍に置き放ったままのバケツを手に取ると]
行かなきゃ――
[水、とギリアンから受けた事をすべく、部屋を後にする]
(324) 2010/07/04(Sun) 02時頃
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―― 墓地 ――
っ、と
[水の入ったバケツを両手で抱えながら 墓地の隅に現われた女の姿。 此処に長い年月建っていそうな墓標から 少しずつ、少しずつ、水を掛け始める。]
……へぇ
[きっと気のせい、だろうが。 水を浴びて墓石が少し陽光に煌いてみえた。 それが喜んでいるようにも見えて――。 女は柔らかく、微笑した。]
(333) 2010/07/04(Sun) 02時半頃
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[呼ぶ声がした。 何処かで聞いた事のある、声。 ゆらり振り向けば]
ソフィア―――?
[ぱち、ぱち、と緩やかに瞬いて、名を呼んだ。]
(339) 2010/07/04(Sun) 02時半頃
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[深い辞儀に一寸遅れて返したのは、浅い辞儀。 すぃと視線を逸らし、墓標へ戻す。]
こんにちは。
[返す声は、淡々と。 別にもう、ソフィアに対し蟠りがある訳では無くて。 吐き出した言葉の手前、 向ける表情を持ち合わせていないだけ。]
……そんな、崇高な物じゃないよ ただの、お手伝い。
[だから淡々としては、居ても あのとき、森で向けたような鋭さも、冷たさも無い。]
(342) 2010/07/04(Sun) 03時頃
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………詩人? さぁ――。
[少し呆れたような吐息を漏らした。 双眸を細めて、連なる墓標を臨む。]
始まりを見た事が無いの。 何時も、終わり。
だから。 ……誰かの言葉を借りて、酔うなんて 到底―――。
[小さく左右に首を振って、少しだけ笑った。]
……ソフィアは、お参り?
(349) 2010/07/04(Sun) 03時頃
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?
[不思議に思った。 墓場、では無かったのか、と。 けれど笑う様子に、まぁそういうものなのだろうと 深くは追求せずに。]
……伝えたい事?
[続く言葉には、ちら、と視線を向けて 続きを促すよに問い掛けた。]
(352) 2010/07/04(Sun) 03時頃
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嫉妬?
[リンダの墓標がある方向へ一度視線を移し、 ソフィアへと移す。 カラダをゆっくりと其方へ振り向かせて。]
行き成り、何、言ってるの? ……悔しいとか、 ……真実とか、
……嫉妬、とか。 よく、意味が解らない
[信じられないといった態で、首を左右に振った]
(357) 2010/07/04(Sun) 03時半頃
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[けれど真っ直ぐな眸と、続く言葉。 緩やかに振った首は真ん中で、静止した。]
…………本気で、謂ってるの
[病気、の噂はもう既に村中に蔓延しているのだろう。 だから、では無いかと思っている、声。]
(358) 2010/07/04(Sun) 03時半頃
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…
[ソフィアの言葉を受け、 じっと見据えたまま、失った音。]
私は。 ……そんなこと、い、 いきな、り
……謂われても
[つい、と視線を地へと逃した]
(362) 2010/07/04(Sun) 04時頃
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漂白工 ピッパは、ゆっくりと顔をあげて、こく、と喉を鳴らした。
2010/07/04(Sun) 04時頃
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そんな、資格、無いよ――。
[上がった顔は少し寂しげな笑み]
もう、やめてよ ……此れ以上、私を傷つけないでよ
恋をした、なんて。 …………今度は何、考えてるの? 貴方は一緒、を望むのに、 リンダには何て伝えたか、覚えてる?
[罵声にならぬように、必死で声色を抑えるが。 何時もより、畳み掛けるような声になってしまう。]
(365) 2010/07/04(Sun) 04時半頃
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貴方の言う、大切って。 他の何を犠牲にしても
―――、手にしたいものなの?
[ねえ?と問う頃、眸からは一筋。 涙がぽつりと地へ流れ落ちていった。]
(366) 2010/07/04(Sun) 04時半頃
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怖いのは、貴女、でしょ? ………独りになるのが、
……自分を包むものが 何も、無いのが、怖いだけ、でしょ……?
[す、とその場にバケツを置いた。 薄桃をさらりと後ろへ追いやり、深く息を吸う。]
私は、あれからずうっと考えてた。 貴女は、リンダの為に ……わざわざ嫌われ役を買って出たのかもって。
私の知っている貴女は、 ……知っている貴女なら、きっと。
そうかもしれないって、思った。
(369) 2010/07/04(Sun) 04時半頃
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でも、違ったね。
[違う、と零す表情は酷く優しかった。 はら、と涙を零しながら、何処までも優しく。]
誰かの悲しみが無きゃ 成り立たない優しさなら
……幸せなら。
私はそんなもの、要らない。
[はっきりと告げ、そのまま小屋の方へ歩き出した]
(370) 2010/07/04(Sun) 04時半頃
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……ッ
[待て、という声に振り返る姿には 怒りを露にした表情が在る。]
じゃあ、何? 誰の為? ……まさか、ピッパとリンダの為だとか 今更言い出す、心算?
[ぷちん、と何かが切れた音。 多分もう、止まらない。 リンダは、泣く、だろうか。 視界の端に入る墓標につきんと心が痛んだ。]
(374) 2010/07/04(Sun) 05時頃
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幸せに死ぬことを望んで何が悪いの?って? 悪くないんじゃない?
……リンダのカラダを借りて、 そっくりそのまま、あんたに返してあげようか
[内心自嘲した。 嗚呼、私は此処まで酷くなれるのだ、と。 その時、女は醜悪に、口許の笑みを繕った。]
(375) 2010/07/04(Sun) 05時頃
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[くす、くす、くす、と笑う。 琥珀の眸は二つ。 確りと開かれ、その中にソフィアを捉えている。]
じゃあ、
[握った左拳で自分の左胸を柔く叩いて]
―――、殺しなさいよ。 リンダが望もうが、其れを奪おうとした癖に。
恋をした相手には、選択を赦すって? ……それこそ、泣きながら、苦しみながらでしょ? 違う―――?
(378) 2010/07/04(Sun) 05時頃
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今の貴女に殺されるなら。 同じように奪われるなら。 ―――、私、きっと幸せに笑えるよ?
[両腕を広げ、薄汚く笑い続けた。]
(379) 2010/07/04(Sun) 05時半頃
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…
[何を謂っているのか、と言う。 その眸に、笑みは消えた。 広げた両腕を降ろし]
もう、いい。 貴女は結局、そうだから。 率直に、言う。 ………私は貴女の事が、大嫌い。
[>>0:@68 何時かと同じ、言の葉。 けれど明らかに違うのは、女とソフィアの距離。]
幸せな時間は、与えて貰うのを待つものじゃない。
自分から、作るものだから。 ……笑っていた、あの子のように。
[完全な拒絶の言葉を返し、 バケツを取りに戻ると一切其方を見ぬまま、小屋の*中へ*]
(382) 2010/07/04(Sun) 05時半頃
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漂白工 ピッパは、メモを貼った。
2010/07/04(Sun) 06時頃
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― 墓地の小屋・少女の部屋 ―
…
[ベッドに腰掛けて暫くの間。 静寂は物思いの為の僅かな、時間。]
きっと。 他にも、言い方、あったよね。 ……リンダなら、どうしたかなぁ。
[漏らしたのは、弱音。 こんな時に頼ろうとするなんて卑怯だろうか。 自嘲しながらゆっくり立ち上がれば 一度、小屋を後にする。]
― 墓地の小屋→自宅 ―
(393) 2010/07/04(Sun) 14時頃
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漂白工 ピッパは、メモを貼った。
2010/07/04(Sun) 14時頃
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― 自宅 ―
……ッ
[自宅へと辿り着き、扉の前で足は止まる。 中から届くのは、父と母の怒声。 伸びた手が扉を開こうとしたまま宙に在る。]
別に、いいのに――。
[薄ら届く内容に微笑した。 そしてそっと、扉を開く。]
ただいま
[すぐ其処に父と母は居て。 両者とも息を荒げて居り、父は母の胸倉を掴み 母は頬を赤く腫らして、泣いていた。]
(396) 2010/07/04(Sun) 14時頃
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[父は言葉を返さなかった。 ただ、一度。 実の娘を、忌み者を見る目で一瞥した。 母は泣きながら唇を振るわせた。 おかえり、と。待って居たのだ、と。
一緒に、と言い掛けた母の言葉を父が遮った。]
……別に、いいよ。 私は、何処へも行かない。
[父は恐らく言うのだろう。お前は連れていけない、と。 ある程度の予想はしていた。 閉じられた村社会なんて、所詮そんなものだ。 そうでもしないと、父は母を護れない。]
(397) 2010/07/04(Sun) 14時頃
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[父が、母が。 酷く小さく、見えた。 あんなに大きくみえた父の背中も。 包んでくれる優しさの、母も。
今はこんなにも、小さかった。]
……父さん。 間に合わなくなるよ。
お母さんを、御願い。
[女は、笑った。 上手く笑えただろうか、と自身に問い掛ける。 けれど誰もそれを評価してくれる人など居ない。
母は、可笑しくなる位、大きな声をあげ、 顔をくしゃくしゃにして、泣いた。 父も一瞬、悲しみで歪んだように、見えた。
きっと―――、気のせいだろうけど。]
(398) 2010/07/04(Sun) 14時頃
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作業は、何処までやってあるの?
[不意な問い掛けに父も母も、此方を凝視した。 あ、あ、と母があたふたする。
父がそれを手で制し、静かに作業場を指差した。 伝う途中の作業工程。 父の声は、僅かに震えていた。
女は、微笑して―――緩く頷いた。]
ほら。……急ぐ、急ぐ。 街に行ったら、少しゆっくりして来て。
お土産、待ってるから。
[傍に纏め置かれた荷物を強引に父へ、母へ。 押し付けながら、扉の外までその背を押した。]
(399) 2010/07/04(Sun) 14時半頃
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