231 獣ノ國 - under the ground -
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―― ? ――
…、なんで
[ 開かれる扉に、>>260その男の首もと、光る石を覗き込むよう。 ――「しおき」が、彼に下されるかもしれないのに、と。鱗の肌をびくりと震わせ、小さくその身を解放する。
なんで、おれをいかせてくれる? どうして、と。 問うそれに、こたえは果たして、あったろうか。 それでも小さく、目を細めてはぐるぐると空腹を叫ぶ奥、ありがとう、ともう1度、枯れた声に乗せながら。
その足を一歩と、そとへ踏み出す。*]
(271) 2015/07/14(Tue) 02時頃
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―― → ――
[ ふみだした先。潮のにおいに目一杯と、息を吸い込みながら。 届いたなじみのその声>>263に、――もうひとつの“こえ”に、腹の底がぐう、と。 「満腹」になるはずの、そとへと向かう躯でないた。ふるさと。と、反芻して、かれのいきるばしょ、だろうかと。
それならそこにもし、行ったなら。……いずれ彼にであうことは? いついつ、なるのかも分からないけれど。]
きみも
[ 一緒に、と。手をのばしては、ああ。と、傷つけるだけの鮫の鱗をただ、下ろし込んだ。 ――いつか、すきにいきる君をどこかで。見れたらいいのに、と。足を“そと”へ踏み出しながら。こえを、*]
(273) 2015/07/14(Tue) 02時頃
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