17 吸血鬼の城
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― 城主の部屋の前 ―
[部屋の扉へ近づこうとも、 わだかまる影達にその行く手を阻まれる]
城主様にお会いしに来ましたの。 お取り次ぎ頂けませんか――?
[声をかけようとも動かない影達に、 ひとつ溜息をつき、肩を落として数歩下がる。
扉へと一礼して、背を向けたそのとき、 階段を上がってくる人の姿が見えた。]
サイラス様――
[ふわり。薔薇の香気が漂う。]
(259) 2010/06/23(Wed) 21時半頃
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[はたりと窓が開いて。
薔薇の風に、ヴェールが揺らめく。]
(260) 2010/06/23(Wed) 21時半頃
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―自室―
[伏せていた瞳を上げる。]
マーゴットさんも、イアンさんも、ドナルドさんも、どうか無事で……。
[呟きは部屋の中の虚空に飲まれて消える。]
……少し、外の空気が吸いたいですね……。
[そう言って、自室を後にした。]
―→中庭―
(261) 2010/06/23(Wed) 21時半頃
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―最上階・窓辺―
……おや、
[白薔薇は黒壇の枠におさまったまま、 同属と“獲物”の2人の姿を見やる―――]
先を越されてしまいましたか、残念。
[薔薇が芳香はその身より、 狩が対象――贄の少女を見やるは常と変わらぬ白薔薇]
(262) 2010/06/23(Wed) 21時半頃
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/* 薔薇色の風、と書くと、 なにか違うものになりますね。
(-79) 2010/06/23(Wed) 21時半頃
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手に入らぬものなど、思いつきもせぬな。
[思いつかぬだけで、手に入らぬものは存在する。 例えば城主の胸に空いたままの穴を埋めるものであったり]
芸か? しかし、私の執着は恐らくひとにしてみれば性質が悪いぞ。
[くすくすと、愉しげに笑ってみせる。 寝台に散らばる銀糸がさわさわと揺れた。 少しの間の沈黙を破り、薄い唇が音を紡ぐ]
――――…あいしている、イアン。
(263) 2010/06/23(Wed) 21時半頃
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強い執着は時に命取りとなるやもしれんが ……さて、あれはどうするのだろうな?
[愉しげな気配混じる声音。 城主の部屋に近い場所、 霧の届く場所ならば全てを見通せる 蠢く影達はあるがままを己が主人たちへと伝えてゆく]
(*72) 2010/06/23(Wed) 21時半頃
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本当に貴方は不思議な人ね。 吸血鬼をあたためてみようなんて……
[包み込むように触れるドナルドの手に、 その言葉に女の手がぴくりと震えた。 厭では無く寧ろ嬉しくさえ思うからその手を拒めない]
外見だけならそうかもしれないけれど ほら……、私はあたたかくないから…… すぐに人ではないと知られてしまうわ。
[哀しいと思うことはあったけれどそれは仕方の無い事。 俯きながらも男の視線を感じた。 その真剣に声音に思い悩むような間があった]
――…如何かしら、ね。
[困ったような微笑を浮かべながら顔を上げれば 男の隻眼をじ、と見詰めた]
(264) 2010/06/23(Wed) 21時半頃
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>>262
[窓より入ってきた白い人を見て、目を丸くした]
セシル……さん?
[強い薔薇の芳香に、身体が揺らいで とん、と背が壁につく。]
(265) 2010/06/23(Wed) 21時半頃
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本屋 ベネットは、メモを貼った。
2010/06/23(Wed) 21時半頃
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手に入らないものなどないのに、あなたは孤独を語るんですね。
[笑い声。 髪の揺れる音。 耳元に落とされた言葉に、その双眸を見開いた]
残念ですが。 俺には、あなたを愛する事が出来ない。
[ふざけるな。 以前の自身なら、一喝していたに違いない。何が愛だ。奪ったのはお前だ。かつての己の友を消し去り、今の己の友を恐怖に陥れているのは、他ならぬお前じゃないか。 身の内に生まれた憎悪は――しかし、僅かな嘲笑として吐きだされるに留まった]
(266) 2010/06/23(Wed) 21時半頃
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[>>265 窓辺より、薔薇は囁く]
――……ああ、 旦那様ならお留守でいらっしゃいますよ?
どの途、毒華が血など、 旦那様のお口には、合いませんでしょうから――
ですから、――ですからあなたは…… 我らに獲物として賜れたのですよ?
[あとずさる少女に微笑みかける。 しかし薔薇はいまだその場を動く、気配は見せず。]
(267) 2010/06/23(Wed) 21時半頃
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――ああ、つまらない。 最初から、近くにいるのがわかってらしたのでしょうに……。
[少しだけ拗ねたような声音が呟く]
(*73) 2010/06/23(Wed) 21時半頃
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薬屋 サイラスは、メモを貼った。
2010/06/23(Wed) 21時半頃
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[白薔薇の人の言葉に、小さく息を呑んだ。
叫びをこらえるように口元に手を置き、 目を見開く。
自分の血が毒である事を、なぜ城主が知っているのか。 その理由は、知らない。
ただ。 その視線を、サイラスへと向ける。]
(268) 2010/06/23(Wed) 22時頃
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―中庭―
[枯れ果てた中庭に、女は一人佇んでいた。 周囲は霧に包まれ、ただ薄い闇を生み出していた。]
……本当は、気づいてるのに。逃げる方法なんてないんだって……。
[霧の中で、女は一人喋り続ける。]
でも、私、認めたくなかったのかな……。
[認めたら、心が折れてしまいそうだったから。 胸のロザリオを握り締め、俯く。]
(269) 2010/06/23(Wed) 22時頃
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――…そんな聲を出さないの。 あの娘以外にも“獲物”はたくさん居るでしょう?
[拗ねた白薔薇の聲に宥めるような聲が重ねられた]
(*74) 2010/06/23(Wed) 22時頃
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―最上階―
[マーゴの寄ろうとしたとき、 奥の窓より白薔薇が現われる。>>267]
――……セシル……
[獲物と、彼はマーゴに告げる。 それにはまた唇を噛んだ。]
(270) 2010/06/23(Wed) 22時頃
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牧人 リンダは、長老の孫 マーゴに話の続きを促した。
2010/06/23(Wed) 22時頃
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/* サイラス様―― 待っておりました…。
(-80) 2010/06/23(Wed) 22時頃
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――墓地――
[グロリアの白い横顔を眺めながら思う]
(どうして身分が高いのに、私みたいのに声をかけて優しくしてくれるんだろう。それに汚れるのも関係なしで、私のこと手伝ってくれたり……)
[貴族と交わる機会などなかったが、彼女が普通の貴族の範疇に当てはまらないことだけは分かった]
――不思議なひとだなぁ。
[つい、感想が零れる]
(271) 2010/06/23(Wed) 22時頃
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―回想・廊下― >>192 ……そうですか。 [ナイフをハンカチに包みなおして腰のポーチへとしまう。]
……ここはお城ですし、きっとなにか武器もあると思います。よさそうなものを見つけたら届けましょう。
[メアリーと別れると客室へと戻り――]
(272) 2010/06/23(Wed) 22時頃
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……孤独は私が生まれた時より、傍にあるもの。 既にてにしたもののひとつ。
[否定が返れば、城主は一度瞬いた]
人間と言うものは こういう時に、そう口にするのではないのか?
[嘲笑を受け、柳眉を寄せつつ首を傾ぐ。 億劫な仕草でゆるりと身を起こし]
詰まらぬ答えだ。
[一笑に付した] ひとの言う愛は所詮己の事を第一に置いた醜い独占欲の塊だろう。 私には理解出来ぬもの。 執着と似ているようで、そうでないのか ……さて、お前は愛をどう説いてくれる?
(273) 2010/06/23(Wed) 22時頃
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>>268
[こっちを見る視線が、どのようなものだろう。 ただ、セシルの言葉を否定することはできない。
でも……]
――…マーゴ、 君は毒をもつべき人じゃない。
だから、ここからは出るんだ。
[彼女の目的は果たすことができないのだと…伝えたく……。]
(274) 2010/06/23(Wed) 22時頃
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>>264 不思議も何も――気紛れなだけだぜ? [そう言って、いつもの人の悪い笑みを浮かべる。 手の内で震えたその手に、真意を測るかのように表情をじっとみて それでも手は離さない。]
なんか。人でないとばれる事が嫌、な言い方だな。 [それだけ告げて、それ以上に言う言葉が見つからず口を噤んだ。 それ以上言ってしまったら傷付けるような気がして ああ、それとももう傷を抉っているのかもしれない。
曖昧な答えがもどかしくて、じっと見つめてれば 彼女の目を直視してしまった。 その緑の目は真意を汲ませず、煽情的な香りを秘めて。 そしてその目は、男に気付かせる。 男の望みの、吸血鬼という絶対的な対象に 対峙して気付くその望みの 正体に。
息をのんで立ち上がる。未だ手は繋いだまま]
(275) 2010/06/23(Wed) 22時頃
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[>>268 贄の少女へくすりと笑う]
――さあ、 何故存じ上げているのでしょうね?
施した者でもなければ、知りようがないものを。
[>>274 サイラスの言葉が聞こえる]
いらないのなら、 ―――いただきますよ?
それは“獲物”として賜られたものなのですから。
[薔薇の香はつよく]
(276) 2010/06/23(Wed) 22時頃
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ふふ…… 私はお前の拗ねた貌が見たかっただけかもしれぬ。
[白薔薇の声音に、くすくすと笑み混じる囁きが返る]
そう、私のローズが言う通り 獲物はまだ幾人も残っている。
宴はまだ続いているだろう?
(*75) 2010/06/23(Wed) 22時頃
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―― 煉獄 ――
この灰色世界、どうにも実感がわかねぇと思ってたのは、生と死の境界が曖昧だったせいじゃねぇな。 己の肉体感覚そのものが希薄だったってだけだ。 だが――
[ふと目を落とす。
自分の手。自分の脚。そして、それを確認する自分の目。
それらが客観的にではなく、確かにここに「在る」という意識をもてる。]
少しずつ、感覚が戻ってきたみたいだぜ。 想いが、おれの肉体にも宿ったかな。 >>181
[手首に絡んだロザリオを見れば、そこに嵌った石はセレスタインブルーの輝き。]
(+4) 2010/06/23(Wed) 22時頃
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そうそう、この色だ。 思い出した。
――思い出せた。
[子供を膝に抱くように、小さな狼皮の帽子を乗せて掌で撫でる。]
(+5) 2010/06/23(Wed) 22時頃
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[城内に戻ろうとして、中庭を抜けようとすれば。 霧の向こうから、ぽつぽつと一人ごちる声>>269が聞こえた]
誰だろ……。
[紋様からは反応がないことから、それが魔物でないことは確かだけれど]
――もしかしたら、魔物に協力する人かも。
[グロリアにそっと囁いて、霧の中の人物の様子を覗う]
(277) 2010/06/23(Wed) 22時頃
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埋葬、感謝するぜ。 追悼ロールは嬉しいもんだよなぁ。
グロリア姐さんも侠(おとこ)だw あの言動で、グロリアは、想いが深くて優しくて、それ故に狂ったんだ、とわかったよ。 >>156 >>166 あんたぁ、深情けの佳い女さ。
(-81) 2010/06/23(Wed) 22時頃
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[サイラスの言葉に、ふるりと首を横に振って。>>274 階段の方からも、一歩、あとじさる。]
わたくしは……お勤めを果たすために―― ………果たさずに、還る事など…、… [白薔薇の言葉にも、幾度か頭を振って>>276 ドレスの裾に手を伸ばし、ナイフを引き抜く。]
(278) 2010/06/23(Wed) 22時頃
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/* また被ったー……。 なんというか……タイミング悪いですね私。
(-82) 2010/06/23(Wed) 22時頃
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