88 吸血鬼の城 殲滅篇
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― 中庭 ―
[厨房を覗いていた黒犬は、 部屋に動く者がいないと見てとると、庭を振り返る。 漆黒の中に小さな赤を点した瞳に、 咲きこぼれんばかりの薔薇が映った。
あの時と変わらず咲き誇る、深紅の薔薇。 むせかえるほどに濃い香気に混ざって 渇きを呼び覚ます甘美な臭気を嗅ぎ取り 黒犬は鼻面を扉へと向ける。
おもむろに薔薇を一輪噛み取った黒犬は 続く瞬間に、おぼろに輪郭を崩して溶け消え、 何事もなかったかのように、扉の内側で実体を結んだ。]
― 中庭 → 厨房 ―
(204) 2012/04/28(Sat) 23時頃
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[ヒューの言葉(>>199)にふと眉を寄せる。 過去の苦々しい経験が脳裏を過ぎったからだ。]
…魔術を扱うというだけで魔女と誹られ処刑される事もあります。 貴方の言う事が本当なら、身の潔白を証明するお手伝いをする事も吝かではありませんが。
[自分がされた事を思い出す。 どうやって身の潔白を証明すればいいのか。 それがかなり難しく絶望的である事はよく理解している。]
…私は人殺しはしたくありません。
[出来れば目の前にいる騎士もその姫も魔物であればいい。 そう願いを込めて呟いた。]
(205) 2012/04/28(Sat) 23時頃
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白の魔法、ってもな……。
[>>199 ため息をついてその言葉を聴き、首を振る]
……実際、この城に仕えるメイドや侍従… 城下の若い娘が居なくなるという報告は、 教会も定期的に受けているんでね。
[その内どの程度が本当の『犠牲者』なのか、 単なる人攫いや失踪でしかないのかはともかくとして] ………ん? ガルデン、って…。
[行方不明者の中にその名がある事を思い出し、眉を寄せる]
(206) 2012/04/28(Sat) 23時頃
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白い魔法、ね……。
[騎士の言葉>>199に、軽く肩を竦め。 魔法ならば専門家の方が詳しいだろうかと、そっとエリアスに視線を送る。]
それを確認するとて、城に居たままではままならないでしょう。 やはり、一緒に来ていただかねば。 嫌疑をかけられた以上、それを晴らす事も必要でしょうに。
[続く言葉>>201には僅かに表情を翳らせつつ。]
……やってみなければ、何事も始まりません。 真にアヴァロン伯が白い魔術の遣い手ならば。 濡れ衣だというのなら、それを晴らす事をお考えになるべきでしょう。
[違うのですか…?と言わんばかりの視線を、眉を寄せるエリアス>>205へと投げかけた。]
(207) 2012/04/28(Sat) 23時頃
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―― 二階 ――
[螺旋階段から二階へと足を踏み入れる。 無実ならば解放される。 異端。 聞こえ来るその言葉に矢張りと女は思う]
まるで魔女狩りのようね ようこそ、勇者さま
[悪戯な音の混じる声。 宴会場へと姿現した城主はスカートを軽く摘み ゆるやかに流れるように腰を折ってみせる]
(208) 2012/04/28(Sat) 23時頃
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[錬金術師は、口を挟むことなく一行とヒュー・ガルデンなる騎士とのやり取りにじっと耳を傾けていた。 それは何かを確かめるようでもあり、 何かを待つようでもあり……]
(209) 2012/04/28(Sat) 23時頃
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どうやって、城主が異端であるという証明をするのか。 確かに君がいう通り、城主本人がその本性を表すことがなくば、 証明できないだろう。
だが、我々にとっても、君の言うことが真実だと どうやって証明出来る? 君がアヴァロン伯の従者であるのなら、アヴァロン伯に魅了されて 護るために嘘をついているとも考えられる。
そうした人間は多いものだ。
[ヒューの言葉>>199にそう返す。 いつでも抜けるように剣の柄に右手を添えて]
(210) 2012/04/28(Sat) 23時頃
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>>201 吸血鬼が苦手なモンは、枚挙に暇が無ェだろ。 ――そのひとつひとつを試されるだけだ。
[百合、十字架、聖水…、聖別された銀の武器。 無論吸血鬼といえど効かぬものもあるだろう。
……その過程で彼女が(人間であろうと) 傷つけられる事までは、否定せずに淡々と答える]
……命を奪われはしないさ。 上のヒトの話では、 陛下は城主の美しさを惜しんでいるってハナシだしな。
[無実ならば愛人とされるだけ。 恐らくそれをも耐え難いと、この騎士は思うのだろうが]
(211) 2012/04/28(Sat) 23時頃
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この傷は、王の牢で受けたもの。 真に恐ろしいのは人間の欲だ。
王は、姫に濡れ衣を着せて、領地を没収しようとしているだけのこと。 おまえたちもまた利用されているのだ。
[聖印を掲げる修道士へと応える。 その純朴そうな態度から、彼自身は宮廷での陰謀にかかわり合いはなさそうだと察して。]
この城に、おまえたちの狩るべき者はいない。
(212) 2012/04/28(Sat) 23時半頃
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[そう断言したものの、眼帯の男が告げる「失踪事件」は実際に起きていることであり、自身の姉妹もそのリストに含まれているとなれば、クラリッサと無関係とは信じていても、わずかに視線は揺らぐ。]
身の潔白を証明する手伝いをするとすると言われても──
姫の身を危険に晒すことはできな…い。
[銀の男の申し出に応える声は、その場に現われたクラリッサの姿に掠れた。]
──姫…。
(213) 2012/04/28(Sat) 23時半頃
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[――突如現れた気配>>208に、はっと息を呑んだ。 目細めた視線のその先にあるのは、血潮にまごう深紅をまとった艶麗な女性。
何もせぬのに圧迫感を感じる気配、間違いなくこの城の主であろうと思われた。]
(214) 2012/04/28(Sat) 23時半頃
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[騎士であるヒューの傷ついた姿が濃い赤の双眸に映りこむ]
おかえりなさい、ヒュー
[反射的に迎えの言葉を口にすると同時 驚いたように目を瞠り それから痛ましげに柳眉を寄せて微か眸を伏せた]
――…ねぇ 貴方を傷つけたのは、だぁれ ?
[答えを聞く前にゆると首を振り]
それよりも手当てが先ね
(215) 2012/04/28(Sat) 23時半頃
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これはこれは……。
[雅な声に視線を向ければ、現れた姿>>208にハッと息を飲む。 なるほど、これはドナルドの言う事>>211も納得だと感心しながら。 まずは、家の作法に則り優雅に一礼した。]
噂に違わぬ美貌。なるほど、これは魔性の美しさとも賞されましょう。 初めまして、アヴァロン伯。 どうぞ、お手柔らかに。
[柔和に微笑みながらも。 その余裕に満ちた態度に、警戒の色を強めて予断なく身構えるのだった。]
(216) 2012/04/28(Sat) 23時半頃
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[新たに宴会場に響く軽やかで艶やかな女の声>>208 横目でちらりとそちらを見やると、 先程城門前で見た―― だが、メイド姿の少女ではなく、 華やかな真紅のドレスを着こなした妙齢の女性の姿]
アヴァロン伯のお出ましか。
[警戒を解くこともなく、呟いた]
(217) 2012/04/28(Sat) 23時半頃
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/* 全員集合の場所に行くのを躊躇って、 ロードは待機中。
なんとかばらけさせたいけど、1d終わるまでは無理かなぁ。
(-53) 2012/04/28(Sat) 23時半頃
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捜査官 ジェフは、メモを貼った。
2012/04/28(Sat) 23時半頃
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/* 黒犬変化、おおむね黒い柴犬を想像してもらえると正しい。
実は、黒チワワとか、黒ダックスフントとか 黒コーギーとかいう案もあったけど、まあ、 可愛すぎたので却下。
チワワケルベロスとか、ダックスヘルハウンドとか 可愛いと思うんだけどね。
(-54) 2012/04/28(Sat) 23時半頃
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[ラルフの視線(>>207)に気づいて、そっと首を横に振る。]
それを言ったら私は黒い魔法の遣い手という事になりますね。 治癒や解毒といった魔法を白いと表現する事はありますが…。 結局魔法そのものではなく、使い方次第ではないでしょうか。
[ドナルドの言う通り、吸血鬼かどうか調べるために色々試されるだろう。 恐らく拷問と呼べる行為も含まれているはず。]
この場で潔白を証明出来ればそれが一番ですが…。
[突如聞こえた声(>>208)に一旦言葉を止めてそちらを見る。 深紅のドレスを纏った美しい女性。 彼女がアヴァロン伯なのだろう。]
魔女狩り…。 そうですね、本当にそんな感じです。
[アヴァロン伯から視線を逸らし、そう呟いた。]
(218) 2012/04/28(Sat) 23時半頃
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[身の潔白を。 ヒューの紡ぎと呼び掛けに眼差しを向ける]
騎士である貴方が私を信じて呉れるなら 私はそれで充分――… 貴方の言葉は民の言葉でもあるのでしょう?
[ふわり、花の綻ぶような鮮やかな笑みが浮かぶ。 騎士を信頼しているのか 彼に案じられる存在に不安の色は薄い]
(219) 2012/04/28(Sat) 23時半頃
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…帰還が遅れまして申し訳ありません。
[労りの言葉をかけてくれるクラリッサへ敬愛の念を深くしつつ、その場に片膝をついて挨拶をする。 「魔女狩り」との言葉に、クラリッサは既に事情を把握していると察して、腰背のナイフを1本、静かに抜き取った。
事が動いた時にまず対処すべきは、飛び道具であるボウガンを持った眼帯の男、そして剣の柄から手を離さず警戒したままの金髪の青年と考えた。 エリアスが術師であることはまだ知らず、手伝いの申し出から官吏と見誤っていた。
なにより最優先すべきはクラリッサの身の安全だ。]
(220) 2012/04/28(Sat) 23時半頃
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王の牢で…その話が本当なら…そして、いまその姿で現れているということは… [告げられる言葉>>212に、改めて目の前の騎士を名乗る男の姿を見る。]
……異端なら、王都で捕らえられた段階で斟酌なく処分される。 危険な化け物をそのまま放置するようなことはないから。
少なくとも、この方は人間…という可能性が高いですね。 吸血鬼化していれば、ここまで赤い傷跡を晒すこともないでしょうし… [両手に魔物を退治する杖を抱えていたが、躊躇うようにその先が揺れる。]
――!? [二階へと現れた新たな姿>>208。大輪の薔薇のように華やかで、それでいて清楚な気品を失わない美しい女性。 声も無く、その動向を注視した。]
(221) 2012/04/28(Sat) 23時半頃
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使い方次第、か……。 なるほど、随分曖昧なものなのですね。
[エリアスの言葉>>218に苦笑いを浮かべつつ。 魔女狩りという言葉を聞けば、僅かに表情を曇らせた。]
ふむ……。 貴女は、自身にかけられた嫌疑が濡れ衣であると、 そう仰りたいのでしょうか?
[じっと紅色に彩られた美貌を見つめた。 これだけの猛者達に囲まれて、この余裕を保っていられる彼女に対し、半ば恐れと敬意に満ちた感情を抱きながら。]
(222) 2012/04/28(Sat) 23時半頃
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>>208
…――ッ!
[鈴を降る様な美しい声音。 咄嗟に刀子を引き出し振り返ったが、 優雅に礼をとるその姿に、息を呑む]
………っ、……アンタは…
[左目を見開き、一瞬、棒立ちとなった。 呆然として、唇だけで呟く]
(……レ、ア…?)
(223) 2012/04/28(Sat) 23時半頃
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― 厨房 →
[幾度か鼻を鳴らした黒犬は、大広間へと足を踏み入れる。 テーブルに並べられた料理の数々には、まるで興味を示さず 真っ直ぐに横切って、階段へと向かった。
忍びやかに、しなやかに、音も立てずに階段を上り 宴会場へと続く段の途上で佇む。 影に紛れる体色の中で、銜えた薔薇だけが鮮やかに紅い。]
→ 2F・宴会場へ続く階段 ―
(224) 2012/04/28(Sat) 23時半頃
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/*似たような表現を重ねてしまい、消そうとして失敗したアカウントはここにございます。ぢたばた。うわーん。*/
(-55) 2012/04/28(Sat) 23時半頃
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/* 魔法の白黒の違いってなんだろう? 多分、攻撃魔法が黒で回復系が白なんでしょうね。 それだとエリアス黒だもんなぁ ムパムピスが白魔法の遣い手という事になるのかな。
(-56) 2012/04/28(Sat) 23時半頃
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[レンズに隠れた双眸にあるのは、心理を見極めんとする厳しい学究の眼であろうか。 戦士たちの背から、城主の一挙手一投足を余さず追い観察する、しかしその口元からは何故かやわらかい笑みが消えない。]
(225) 2012/04/28(Sat) 23時半頃
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[学者風の男の視線感じれば 礼をする代わり一度瞼を伏せる仕草。
柔和に笑む男の挨拶>>216には はたりと大きな眸を瞬かせた]
お褒め頂き光栄です、勇者さま けれど、魔性の、というのは過分――… 良からぬ噂が貴方がたを遣したのかしら
[僅か困ったような口振りで返す]
(226) 2012/04/28(Sat) 23時半頃
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[ふと、傍らに立つドナルドの声>>223が耳に入り。 怪訝な表情を向ける。]
……ドナルド? 一体、どうし――…。
[そこで石橋で少女を目撃した際の彼の言葉を思い出せば。 まじまじと、眼前に立つ優雅な真紅のドレス姿を眺めるのだった。]
ふぅむ……。
[僅かに眉を寄せながら、じっと二人の様子を窺った。]
(227) 2012/04/28(Sat) 23時半頃
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[子供の頃、こんな湖の畔に住んでいた事があった。 住むと言ってもボロボロの汚い子供を集めた救貧院だ。
次から次へ施設を逃げ出し、 連れ戻されては転々として、 今はそれがどの街であるかすら覚えては居ない。 ……どの村も、街も、薄墨の雲に覆われていた。 抜けるような青空の下に息をしたことなど一度もない。そんな幼年時代だ。 ……その街を覚えている理由はただひとつだけ。
彼女に、逢ったことだ]
(228) 2012/04/28(Sat) 23時半頃
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