301 十一月うさぎのないしょ話
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――お昼のこと>>3――
わーやった。いい匂い。 寒くなってきたら根菜がいいよね。
[歯ごたえのある根菜が好き。甘みも出て、旨みもたっぷり吸ってくれる。 それが乙坂の手にかかったら、魔法のような速さでパスタの彩りになる。 もちろん、自分が昼から入るときもスピードとクオリティを一定以上、というのは常に気を配ることだけれど、やっぱり感覚的なもので、乙坂はすごいなと思うことがある。]
両方、両方……うん、両方がいい。けど、半分ずつにして。 崩れちゃってもいいから。
[根菜はお腹にたまる。両方食べたい気持ちと折半した結果が、このわがままだ。 もともとよく食べる方でもないのは、きっと宇津木も知っているはず。]
(18) 2019/11/23(Sat) 12時半頃
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[バター醤油は罪の味付けだと思う。 箸で一口分を持ち上げると、ふわりと甘い香りが漂った。 それだけでお腹が限界を訴えそうなのに、微かにごま油も追いかけてきた。 ああ、もう我慢できない。]
いただきます。
[急き気味に一口。 ちょっと熱かったけど、それも味のうち。 玉ねぎは甘さがしっかり出てるのにシャキッとしていて、アクセントになっている。 筍も他と食感の違う野菜で面白い。]
(19) 2019/11/23(Sat) 12時半頃
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やっぱり、オットーがいるとうちのお昼って感じ。
[数日のことなのに、ランチタイムの雰囲気が違う。 通し勤務も多いから、彼の休み前も昼で一緒になったことはあるけれど、彼が厨房に立つ間は自然とサブになりがちだったことを思い知らされた。 そんなんじゃいけないな、と気持ちを入れ替えるきっかけになったのはありがたかったけれど、やっぱり乙坂にはここにいてほしかった。]
(20) 2019/11/23(Sat) 13時頃
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[食後は紅茶と一緒に半々デザートのわがままを平らげて、ごちそうさまと手を合わせる。 本当なら帰って家で買いすぎた芋の消費に勤しんでいたはずが、予想外にいいお昼を過ごしてしまった。 上機嫌にお会計を済ませると、別れの挨拶はごちそうさまでもまた来ますでもなく。]
自転車とってくるね。
[なお、歩いて帰ろうとしていたくらいには近所住まい*]
(21) 2019/11/23(Sat) 13時頃
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/*かためぷりん!!!!!!!!
(-4) 2019/11/23(Sat) 13時半頃
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――数日後――
[昼から夜になるのが、最近随分早くなった。 出勤時間にはすっかり真っ暗になった路地を行き、裏側からうさぎ穴に入り込む。
長く伸ばした髪をまとめるのは少し時間がかかるから、シフトの時間より30分くらい早く来ることが多い。 家でまとめてきたっていいけど、ここでやれば今日の食材たちとそのぶん長く向き合えるから、青いリボンを編み込んで結ぶのはバックヤードでの仕事にしていた。]
(38) 2019/11/23(Sat) 15時半頃
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[漂う甘い香りが、なんとも心地いい。 カラメルの焦げる匂い。卵のこってりした匂い。]
プリン……
[思わず口をついた呟きには物欲しそうな響きが乗ったけれど、我慢我慢。 お客様のお口直しだから。わたしのじゃないから。]
(39) 2019/11/23(Sat) 15時半頃
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おやぁオットー。 そっか、今日からか。
[髪がまとまりきった頃、バックヤードのドアをくぐる影>>17。 昼の顔と思っていたが、夜の仲間が増えるのは素直にありがたい。 さっと支度を済ませて仕込みに入る乙坂の後ろを追って、頭の中で献立を考える。
牛もそうだが、二枚貝のいいのが多い。 トマトソースに香草を効かせたのを仕込んでおこうかと、オレガノとドライバジル、クミンを手元に用意して、鍋を火にかけた**]
(40) 2019/11/23(Sat) 15時半頃
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迷い人 ヘザーは、メモを貼った。
2019/11/23(Sat) 15時半頃
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いらっしゃいませ。
[ほぼ三人同時と行っていい調子でうさぎはお客様を連れてきたけど、三名様ではないらしい。 かぶの皮を剥いていた手を一度止めて、軽く一礼。
さきにカウンターへついた紳士然としたお客様から、ビールと軽食の希望がやってくる>>50。]
かしこまりました。
[外へ出ていった宇津木の代わり、伝票に書き留めた。]
(55) 2019/11/23(Sat) 18時頃
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[女の子の心当たりを尋ねるみたいな視線>>52には、首を横に振る。 生憎自分より年下のご家族様には心当たりがなかった。 知り合い、の可能性はあるけど、馴染みなら入ってくるだろうし、最近店のことを新しく教えた記憶はない。]
……誰だろう。
[表情にはあまり出していないが、気にかかる。 女の子が一人路地に、なんていうのは、同じ女としても心配だった。 危険ももちろんだけど、ココロの方とかも。]
(60) 2019/11/23(Sat) 18時頃
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/* ぷりんは……みちびく……!
(-12) 2019/11/23(Sat) 18時頃
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/* わたしの……ぷりんが……! (あなたのぷりんではありません)
(-16) 2019/11/23(Sat) 18時半頃
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[さて、軽いもの>>50は何にしようか。 ビールに合うもののほうがいいには違いないが、いま手元で剥いているかぶはハーブマリネになる運命だ。 悪くはないかもしれないけれど、何かもう少し。]
よし。
[さっき仕込んだトマトソースに早速働いてもらおうか。]
(63) 2019/11/23(Sat) 18時半頃
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[かぶを切っている間、桐野江さんから手が振られれば>>64ひらりと振り返した。 今日の青はサテンリボン。左右編み込みにして、おさげになった分はねじってアップに止めてある。
薄切りにしたかぶを砂糖、塩、ワインビネガーとドライバジルと和えてマリネにしてから、脇に置く。 もともと少し馴染ませるつもりだったから、問題ない。]
(65) 2019/11/23(Sat) 19時頃
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[それから秋茄子とパプリカを少し大きめの一口大に切って、オリーブオイルでざっと炒めていく。 半割にして種を取ったオリーブもあわせて全体に馴染ませてから、香草の効いたトマトソースをレードルでひとすくいして絡めた。 このままワインを加えて煮込んだらラタトゥイユだけれど、今日はそこまではしない。 反対に水分が飛ぶくらいに軽く煮詰めて、ケッパーと粗塩をぱらり。]
(66) 2019/11/23(Sat) 19時頃
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どうぞ。
秋茄子とパプリカをトマトソースで和えました。 ハーブが効いていますので、ビールにも合うかと思います。
必要ならバケットもお出ししますので、お気軽にお申し付けください。
[熱々のままココットに盛って、小さなスプーンを添えて出す。 料理の名前はないから、そのままずばり調理の内容を伝えた*]
(67) 2019/11/23(Sat) 19時頃
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こんばんはー。 夜ははじめてみたいですけど、迷いませんでした?
[宅本さんがカウンターについて、声をかけてくれる>>68。 開店常連なのは知っているけれど、はじめての時を思い出せばついつつきたくなった。]
あったかいやつですね。 何にしようかな。
[かぶを煮てもいいけど、少しさっぱりしすぎかもしれない。 今日の食材たちはどれが温まりたがっているだろう。]
(77) 2019/11/23(Sat) 20時頃
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[食材を確認するうち、プリンに対する熱い想いが聞こえてくる>>70。 わかる。わかる。 とろけるプリン至上主義について思うところある。 そもそももともとはとろけるプリンのほうが後発だ。 それが至上とはどういうことなんだ。みんな違ってみんないいじゃだめなのか。
という思いはあるものの、お客様同士の会話に身を乗り出して混ざるわけにはいかないので。 下処理されたあさりを出しながら、無言で何度も頷いていた。]
(78) 2019/11/23(Sat) 20時頃
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[そうこうするうち、秋茄子とパプリカたちは美味しくいただかれたようだ>>72。 中々よかった、の評価にほっと内心胸をなでおろす。 ただ、料理名を聞かれれば一転少し困って]
ええと…… なんて料理なんでしょう。
もっと水分を多くして煮込んだらラタトゥイユに近いものになると思うんですけど。 ビールのお供にされると思ったので、煮込みにしないでさっと絡めて水分を飛ばしました。
ラタトゥイユ風……としか言いようがないかもしれないです。
[困りつつも捻り出したのは、結局メニュー名ではないもの。 最低限、ラタトゥイユを煮込まず水分を飛ばしたもの、という部分が伝われば内容はわかると信じている。]
(81) 2019/11/23(Sat) 20時半頃
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/* なめたけの体調がアレなためなかなか店長が出てこないのほんますいません 店員足りてるからゆるしてほし
(-21) 2019/11/23(Sat) 20時半頃
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はい、ビールと、パスタ以外の料理。
[回答に納得はもらえたかどうか、追加注文を伝票に書き留めていれば厨房にもう一人の料理人。]
あ、オットー戻ってきた。 じゃあ、おまかせしていいかな。
[戻ってくるなりやる気満々の同僚の肩をぽん、と叩いて受け渡し。 わたしはあさりと戦いましょうとも。]
(83) 2019/11/23(Sat) 20時半頃
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/* 桐野江さんの名前ワイもなかなかおぼえられへん
(-22) 2019/11/23(Sat) 20時半頃
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オリジナル……ですね。 この店、夜はだいたいこうなんです。
メニューにある何か、ではなくて、お客様が食べたいものをお出しする。 その場でしか出会えないものになりがちですけど、それを楽しんでもらえたら嬉しいです。
[>>84センスがいい、と褒められて喜ばない料理人がいるだろうか。 くすぐったくてはにかんで、つい口が回る。]
三人目?
[そのカウンターが、何を示すのかはぴんとこなくて疑問符がつく。 接客をした人数のカウント、とかだろうか。 気の緩みを見られるのはよくないかも、と喜びにゆるゆるな頬をきゅっと締めた。]
ありがとうございます。 ご贔屓にしてくださったら、嬉しいです。
(97) 2019/11/23(Sat) 21時半頃
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[乙坂との話が弾んでいるようなら、紳士――有馬さん、というらしい。覚えておかなくては――とのやりとりは、一礼で締め。 ギリギリセーフの方向音痴さんの方へ向く。]
確かに、開店時にはお店にいますからね。 足繁くきてもらって、覚えてもらうしかないかも。
[>>95気軽な話口調は、ぴっと緊張していた頬を通常モードに戻してくれる。 法律の先生ということだし、人と話をすることも仕事の一つなんだろうというのが、こういう調子からも伝わってくる。]
(102) 2019/11/23(Sat) 21時半頃
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[あさりは下処理が済んでいるから、一人分を取り分けるだけ。 バターをフライパンに落としてごく弱火でコールドスタート。 にんにくスライスと唐辛子を足して、香りが出るまでじっくり溶かしていく。
白ワインとブイヨンを注いだら唐辛子を取って、殻が開くまでひと煮立ち――だけど。 思いつき半分、くし切りにしたかぶを入れた。 甘みも出るし、味を吸い込んでくれるし、あったかくてやわらかい。 きっとおいしくなってくれるに違いない。 彩りにかぶの歯も刻んで入れよう。]
(103) 2019/11/23(Sat) 21時半頃
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/* 固めプリシタン
(-25) 2019/11/23(Sat) 21時半頃
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[煮上がるまでしばし。 そういえば桐野江さんと宅本さんは知り合いだったのだなぁ、と二人の会話を聞きながら思う。 固めプリン談義は盛り上がっているようだし、バニラの効いたプリンはそうでなくとも魅力的なものだし。
残ったらまかないに――という望みは、薄めにしておくことにしよう。]
(107) 2019/11/23(Sat) 21時半頃
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ああ、ペペロンチーノもいいですねぇ。
[>>109そういえばソーセージ入れればよかったな、なんて思っても後の祭り。 だし、あさりバターの繊細さはそれはそれで大事にしたい。 またの機会にするとして、ボリューム出しのためにバケットを焼こう。 厚めに切ったバケットにオリーブオイルとパセリ、ほんの少しの塩。 メインにバターを使っているから、少しさっぱりさせる狙い。]
(117) 2019/11/23(Sat) 22時頃
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……え。
[お好きですか>>110、の前が何にかかるかすぐにつながらなくて、一、二度瞬き。さっきの必死なアピールがすっかり伝わっているとは――どれほどわかりやすかったと言われても――思っていなかった。 そこに、プリンを先にと注文が入る>>116。]
あ、はい。 いい、と思います。多分。
……ね?
[帰ってきたばかりの宇津木を視線で捕まえて聞いてみる。 連れて入ってきてくれた女の子にかかりきりで、何の話?って反応だったら、プリンを出してほしいと伝えよう。]
(118) 2019/11/23(Sat) 22時頃
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それと、優しい味でトマトソース……でしたっけ。 少し多めで。
[何にしようか。トマトソースは仕込んであるものの、香草が多めで優しい味かは怪しいところ。 スープにするか、それともクリームを足すか……]
あ。 そしたらソーセージ使っていいです? ソーセージとキャベツでトマトクリーム。 ショートパスタとか足したらボリューム出るかな、って。
[桐野江さんに伺いつつ、OKが出たら作りはじめよう。]
(120) 2019/11/23(Sat) 22時頃
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