112 燐火硝子に人狼の影.
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メアリー! 今日がお前の命日だ!
helmut 2013/02/08(Fri) 01時半頃
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[そう。「この手で」殺すために。]
――――…
[獣たちを狩る人間の集まりと。 かの少女の母を殺めたであろう人々と。 その少年――サリスの母を殺めた人々と。 同じ手は使うまい。使ってやるまい。それが、傷跡残る男のしがらみ。
あぁ―――それは、あまりにも、甘かった。]
(*0) sakanoka 2013/02/08(Fri) 22時頃
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[窓の外に、月は妖しく照り輝く。]
(*1) sakanoka 2013/02/08(Fri) 22時頃
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――…。
[吐息のあとに流れる長い空白]
今宵はホレーショ―が、自警団のもとに。
[短い、知らせ。 それはサリスがミドルの名を呼ぶ前後に齎される]
(*2) helmut 2013/02/08(Fri) 22時半頃
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リヒトさん。
あなたのお気に入り、
――場合によっては、殺します。
[リヒトへと告げる声は、 同時にサリスへの宣告ともなった。]
横取りされたくないのであれば、お早めに。
(*3) 緋灯 2013/02/08(Fri) 23時頃
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仲違いでもしたかい?
[ミドルの聲に常と変わらぬ様子で問う。 彼女の意志を聞けど、焦る様子はない。 サリスが人間の娘を選ぶ未来は想定の範囲内]
(*4) helmut 2013/02/08(Fri) 23時頃
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ええ、そんなところです。
……止めないんですね?
[あの時は冗談の上ではあったものの、 彼は自分の獲物だと言っていたというのに。
とはいえ、サリスがこちらを殺しにくるのなら。 たとえ止められたとしても、聞くつもりはなかっただろう。]
(*5) 緋灯 2013/02/08(Fri) 23時頃
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そうか。 困ったものだね。
[ミドルの応えに漏らす嘆息。 問いかける聲にはいくらか考え]
――…止める止めない以前に 私の意志はもう伝えてあるからね。
[所有権を主張する軽口。 それを知った上で脅かすならば関係は一変する]
(*6) helmut 2013/02/08(Fri) 23時半頃
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わかりました。
[応えは簡潔。 場合によっては同胞と対立する事も推測できたが。
サリスの出方によっては、それもまた止むをえないだろう。]
(*7) 緋灯 2013/02/08(Fri) 23時半頃
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――…嗚呼。
[ミドルに短い応えを向ける。 彼女を同胞であると認識している。 共同戦線といったように仲間であるとも。 けれど、これからの時間を共に過ごす事は 彼女も範疇にないだろうしリヒトも考えてはいない。 何れ去りゆく存在を留める術などもたない。 力をもって制するほかは知らなかった]
(*8) helmut 2013/02/09(Sat) 00時頃
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[確かに聞こえていた。一人の男のその名前>>*2。 それが意味するのは、此処にはもう人間の少女と男と、人狼の少女と男しか残されて居ないということ。 ――男がたったひとりで刃向おうとする、その人狼たちのこえが聞こえる。
今まさに少女の人狼に害を為さんとするサリスは、ミドルが告げたその言葉>>*3に、自身への宣告が含まれていることを覚っていた。 それだけなら、ただ、何も言わずに聞いただけだった。]
なにを。 いまさら、
[リヒトの「お気に入り」。 そうも告げたミドルに返す、そのうつくしい獣のこえ。 サリスのこえは、震えることなく。けれど、零れていた。]
あァ。あんたは。 慣れたんだろ。ひとり、に。
[全てを、メアリーをも喰らい尽くすと告げてきた男の。 その「意志」ということば>>*6聞きながら、また、短く零す。]
(*9) sakanoka 2013/02/09(Sat) 00時頃
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慣れたよ。 同じになる事を望んだサリスが 同じになる事は無かったと知ったあの時に。
[サリスの聲に、クツと笑いながら言葉を返す。 メアリーを喰らう事を告げたあの時、 サリスがメアリーを選ぶなら 彼が生きる為に殺されてやっても良いかもしれないと思った。 別の選択を心の何処かで望む気持ちはあったのだけれど 矜持の高い獣は、言葉になどしない]
(*10) helmut 2013/02/09(Sat) 00時頃
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は。 そりゃ、良かった、わ。 あァ、同じに、なんか……
[痛みで鈍った感覚の中。 このこえ>>*10の主がより近くに居たことに、その時、気づかなかった。]
(*11) sakanoka 2013/02/09(Sat) 01時頃
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――…ならずとも、構わない。 私はあの日、人間であった「サリス」に出会い 心惹かれたのだから、な。
[クツ、とまた笑みが零れる]
(*12) helmut 2013/02/09(Sat) 01時頃
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――…サリス。 苦しくないように、と彼女は言っているが。
彼女の望む安らかな死を与えるか
光を失い、声を失い、腕を失い――… 果てぬ苦しみを負わせて生かすか。
好きな方を選ぶが良い。
(*13) helmut 2013/02/09(Sat) 01時半頃
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何、だよ、 それなのに、「おなじに」、とか言いやがって、た、とか。
っつか、メアリーに、言ったばっかじゃ、ねェ、か、今、 人間の食事と同じ、って、 なのに、ひかれた、と か、
[彼はおそらくグロリアに対しても、「おなじ」ならぬものでありながら、妹として愛していたのだろうと思う。 けれど、己は?心惹かれた、とは―――。 取り留めのない言葉は、戸惑いの表れ。]
なに、笑ってん、だよ……、
(*14) sakanoka 2013/02/09(Sat) 02時頃
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「おなじに」と望まねば――… 何れ壊してしまうから。
[人間と人狼は共存出来ないと思う。 飢えをやり過ごす術を知らず生きてきた]
人間は、食事と、同じだと思っている。 生きるために、必要な糧。
けれど、あの日、あの夜――… 「サリス」と名乗ったあの存在を消すのは惜しいと思った。 獲物を見逃したのは、一度きり。 私の姿を見て、生き延び、再び出会ったのは 「サリス」だけ――。
[妹にさえ見せたことのない姿。 それを知る人間で生きているのはただひとりきり]
(*15) helmut 2013/02/09(Sat) 02時頃
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……………………、
ばか。 決まってン、だろ。
あの子の、メアリーの、願う、通りに、しろ 。
(*16) sakanoka 2013/02/09(Sat) 02時頃
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――…、サリス。
お前も、十分、莫迦だと思うぞ。
[彼の言葉を否定はしない、返し]
(*17) helmut 2013/02/09(Sat) 02時頃
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――…本当に、良いのだな?
[再度、サリスに尋ねる。 微笑む少女の向こうに彼の姿を翡翠はとらえ]
(*18) helmut 2013/02/09(Sat) 02時半頃
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[その時響いたこえ>>*15には、直ぐには何も答えなかった。 未だ捉えきれていない、受け入れ切れていない、と言うべきだったかもしれない。 寄せる思いは、一人の少女の生死を分かつ方へと>>*17>>*18。]
あァ。 どうせオレは、馬鹿で、結構。
[その答えから、リヒトは約を違えぬだろうと。 過った安堵は安堵のようでいて、それでもなお痛み滲むもの。]
……………………、
[今一度続く尋ねには、幾許かの間が空き。]
(*19) sakanoka 2013/02/09(Sat) 02時半頃
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良い、よ。
苦しませてまで、生か、し、て……なんざ、でき、ねェ。 あの子が、願った、通り、に、して、くれ。
[生きろ、と。そうとばかり人に言ってきた男は。 今ここで、今度こそ、その死を受け入れようとした。]
(*20) sakanoka 2013/02/09(Sat) 02時半頃
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――…嗚呼。
[翡翠は彼を見詰めたまま 短い了承の言葉をサリスへと向けた。]
(*21) helmut 2013/02/09(Sat) 02時半頃
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[サリスに見るなとは言わなかった。 視界を遮ることもしない。 見るも見ないも、彼の選択次第]
(*22) helmut 2013/02/09(Sat) 03時頃
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[どのくらいしてか、此処で漸く、あの時のこえ>>*15のことを思う。 零したこえに震えも何のいろも滲まないのは憔悴の証。]
なァ、リヒト。 グロリアさんは。妹さんは。 あんたの正体、あんたの「姿」を、知らねェ、のか。
……まるで。オレばっかり、が。 一度きりだとか、特別だとか、言いたげ、な。 惜しい、とか。 壊したくねェ、みたい、な。
[見詰めてきた翡翠のいろ。 ある程度、その主の言葉の意味は、察していた。]
(*23) sakanoka 2013/02/09(Sat) 03時半頃
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答えろ。リヒト。
オレを――サリスを。これから、どうしたいんだ。
[かつての少年は、俯いたまま、その未来を、問う。**]
(*24) sakanoka 2013/02/09(Sat) 03時半頃
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[名を呼ばれ薄っすらと濡れた翡翠がサリスを見遣る。 力を失いくずおれる少女の身体を片腕で支え 己も膝を折り血だまりの中、そっと少女を寝かせた]
――…なんだ。 グロリアに興味があるのか?
[妹の名を聞けば怪訝そうに片眉が跳ねる]
妹は兄が人狼だとは知らない。 獣の姿を見せた事は一度もない。 知られれば、喰らうより他ないからな。
[血をわけた双子の妹でさえ、見逃す心算ないと告げる]
(*25) helmut 2013/02/09(Sat) 04時頃
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[答えろ、と言うサリスの聲が血の酔いから醒ますよう]
――…莫迦だが、そう、鈍くもないか。
[知性の色灯る翡翠が俯く彼をじ、と見据える。 言った事を覆しはしなかった]
はじめて出逢ったあの月夜から 「サリス」は私にとっては特別な存在だ。 もう二度と逢わぬだろうと思ってはいたが お前の見せたあの貌も、耳朶打つあの声も 忘れた夜は、なかった。
[其れを吐露するのも、獣の気まぐれではあるが 相変わらずといった風情でサリスに偽りは混ぜず]
(*26) helmut 2013/02/09(Sat) 04時頃
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これから、か。
[ぽつ、と呟き、柳眉を寄せる。 逡巡するような躊躇うような間があいて]
サリス。 お前はこれからもそのまま在れば良い。 逃げる事を望んでも、逃がしてはやらぬ。
命尽きるその日まで私の傍に在れ。
[命尽きるその日まで。 たとえ壊れてしまおうとも。 傍らにあることを望むと答える聲は酷く傲慢で**]
(*27) helmut 2013/02/09(Sat) 04時頃
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[水音を立てる舌先。その主が血だまりの中に横たえた少女の身体。その様を見ることも、向けられる瞳のいろも見ることもなく、男は俯いたまま――。 返ってきた答え>>*25に、頷くでもなく微かな息を吐いてから。]
興味、っつか。 一緒の、家族、なのに、何も知らねェんだ、って。 あんた に、似て、賢そう、なのに……。
[詰りそれ程にまで隠し通そうという意思なのだろう、と。 譬え「家族」であっても、と――。男はそう思う。 そしてそれにも関わらず、此処には「見逃された」人間がただひとり居る。]
(*28) sakanoka 2013/02/09(Sat) 19時頃
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