人狼議事


306 【誰歓5発言RP】かたりかたるるかたりべの

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【人】 懐刀 朧



[賑やかさというものには縁がなかった。
刀のそれは鎬を削り火花を散らすような場面だろうが、
懐刀ではそのような機会にも恵まれない。

迷い込んだ宿には人や、人であったものなどが集まった。
語られていく怪談に様々なことを思いはすれども、
山津波に呑まれ、見捨てられた集落の話には>>0:81
覚えのある古疵にも似た感傷が疼く心地とは別に、
人を恨むこととは別の道があるらしいとの感想を懐いた。

      ─────────それは人だったものと、
      そうではないものとの違いかもしれないが。]

 

(71) nemumi 2020/09/01(Tue) 18時半頃

【人】 懐刀 朧




   ………ああ。此処は月が綺麗に見える。


[似たようなものを負っていたとしても、
傷を舐めあうつもりはない。漆の盆に乗った徳利二つ。
地酒の湖月を舐めるように飲むことはしても。

月の客になりに来たかと酒精を注ぎ返してみれば>>2:40
彼女が取り出した花札に、はたと視線に丸みが帯びる。

月愛でるその言葉が " 殺し文句 " となったのは、
いつの頃からだろうか。刃折れない限り死なない男は、
譬え知っていても、適切に返す刀を持ってはいなかったが
まるで性質が逆である彼女に不快感は懐かなかった。]
 

(72) nemumi 2020/09/01(Tue) 18時半頃

【人】 懐刀 朧



               桜
   御身が月を狙うなら、己は花を狙おうか
   札の上では、盃が一つしかない事が惜しいな

 

(73) nemumi 2020/09/01(Tue) 18時半頃

【人】 懐刀 朧


[元々、桜には思うところがあるものの、
札遊戯の上である為か、明朗な彼女にアテられたように
暗いものを振り返らずに済んでいた。
然し乍ら、刀であるが故に男は負けず嫌いで、>>2:41
こいこい勝負は盃が乾くまで興ずることになっただろう。]


   お陰様で美味い酒が呑めた
   だが、" それ " はやめておこう。

   ……己が触れては、御身の指を
   切り落としてしまうのではないかな


[差し出された小指。彼女が人ではなくなったとは雖も、
文字通りの " 指切り " とならないかと気に掛かる。
嘗て人であった存在と過ごすひと時に次を望むからこそ、
触れることは止めておく、と頭を振った。とは雖も、]
 

(74) nemumi 2020/09/01(Tue) 18時半頃

【人】 懐刀 朧




   こうして同じ宿にいるのだから
   わざわざ指を切ってまで約束をせずとも
   また、呑み交わす夜もあるだろう

   
[触れれば斬ってしまうのではないかという懸念が、
まるで杞憂であったと知ったのは後のことだ。>>3:45

男と対極の彼女の在り方は、どれほど暗い夜であろうと、
それを感じさせない程であった。満ちた月が隠れるよりも
別れが訪れる方が早かったが、惜しむ思いがある程に。

それを漸く明かしたのは、各々の出立前だっただろう。]
 

(75) nemumi 2020/09/01(Tue) 18時半頃

【人】 懐刀 朧




   ─────己も、御身が好きであったよ

   己が主が御身であったなら…
   恨みなど懐かず、刀折れる迄添い遂げられたろうか
   そんなことを、つい考えてしまう程には。

   必要ないかもしれないが、……どうか息災で


[人に懐く思い。嘗て人であったものに懐く思い。
そして人ではないものに懐く思いはすべて異なっていた。

遠き昔の未練めいたものは、" 人であったもの " にしか
向けられない。樹海には懐刀の出る幕などあるまいが、
水無しの八百八沢に雪解け流れる一筋のあるように、
互いに時を持て余し、今生の別れの方が縁遠い身の上。]**
 

(76) nemumi 2020/09/01(Tue) 18時半頃

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