人狼議事


208 【突発誰歓】ーClan de Sangー【R18薔薇】

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【赤】 理性子 参休

―    ―

[最初は、妙に煙いと思った程度だった]

[――村に異形が紛れ込んだのだと噂が広がり、屋敷の主が歪なものを“飼っている”事を知る者が火を掛けたのだという。
 二人に状況を教え先導していた主は、焼け崩れる階段に巻き込まれ姿を消した。最早下には降りられぬと手に手を取って奥へと駆け戻り、いつか主と共に紅葉を見た窓から二人で身を乗り出す。けれど炙られた瓦の熱さに、きちんと立ち上がることが出来ず――]

[屋根から転げ落ちる前に、長髪の男に抱き留められた]

(*9) vdspuren 2014/12/31(Wed) 00時半頃

【赤】 理性子 参休

[男は片手を差し伸べ、屋敷の外へと二人を誘う。
 火柱と化した屋敷を一度振り返り、己はその手を取った]

[けれど片割れはその手を払ったのだ]

[煙が辺りに立ちこめる少し前、参休が手習いする傍らで片割れは何時もの様に外を眺めていた。きっとその時村人に追われる“異形”のことを視界に収めていたのだろう。
 長髪の男に向ける瞳は、男を迫害する人間達と同じもの]

(*10) vdspuren 2014/12/31(Wed) 00時半頃

【赤】 理性子 参休

[そうして紐は断ち切られ、参休一人が時の流れから転がり落ちた]*

(*11) vdspuren 2014/12/31(Wed) 00時半頃

【人】 理性子 参休

― 自室 ―

[――クランに残るのは、ここに居着いてからの記録だけ。主とライジ、その二人と海を越えた頃の事は記憶にも記録にも残っていない。
 けれど部屋のあちこちに残る赤黒い日記達が、意識の端に残るものを繋ぎ合わせるとどうなったのかは十分に示してくれた]

……

[赤茶けた染みに覆われた文字をゆっくりとなぞる。
 半紙の量から推察した時の流れ、薬を抜き血を流して尚餓えが訪れないという真実、かつて繋がれていた片割れの存在。会いたいと焦がれても到底戻れないという事実が、血の流れるに任せて何度も意識を刈り取っていた]

[ただ――胸の奥が時折疼く理由を教えられた所で、あの頃よりも記憶の滲んだ今となっては寂寥を覚えるだけだ]

(13) vdspuren 2014/12/31(Wed) 00時半頃

【人】 理性子 参休

― 自室→ライジの部屋 ―

[部屋を出た頃には日もとっぷりと暮れていた。彼の事だ、眠りに就いてしまったかもしれないと思いながらも、唯一の上位者、その私室に辿り着き扉を叩く]

[迎え入れられたのならば、ライジの顔を見て話せる位置に落ち着いた後、まずは“その格好>>29で出ていくつもりですか”等と切り出しただろう。
 応えがなければ扉には触れない。……けれど立ち去りもせず、内にも届く様にと気を払いながら口を開いた]

……参休には、最早還る所がありません。

[ここを出ると告げていたのに、食堂を出る際>>27ライジは薬の瓶に触れていなかった。
 宵闇を追い遣る焔の鮮やかさ>>*9は、未だ瞼の裏に浮かんで来ない。けれどクランを出た所で、紅葉の記憶と共にあった片割れにもかつての主にも屋敷へも辿り着く事が出来ないと、己は心の奥で理解してしまっている]

ですから、ここにて御別れです。

[――そして二度と遭うことはないのだろう]

(38) vdspuren 2015/01/01(Thu) 14時頃

【人】 理性子 参休

[主の手を取って以来常に先を歩いていた彼。今生の別れを味気ないものにはしたくないと、久方ぶりに二人きりで話しかけた]

……ライジ、我々の死期とはどのようなものだと思いますか。

[あの薬を口にしている限り、老いて死ぬ事はない。であればクランにおける寿命の意味は各人毎に変質する]

参休の寿命は、きっと
全てを忘れる時でしょう。

[未だ己から手放す程生に飽いてはいない。だがそもそも、自覚が無くなる程の忘却の淵にいれば、時の流れを感じることすら出来ないだろう]

[だから己に死期があるというのなら、生き長らえる為の薬を摂る事すら忘れたとき]

(39) vdspuren 2015/01/01(Thu) 14時頃

【人】 理性子 参休


……世話になりました。

[屋敷を出てからの生は、主と、眼前の“兄”と共にあった。……記憶の断片にすら触れられないまま感謝を告げるのは少々心苦しいものがあったけれど、最初期の記憶など己が意志で呼び起こせる範囲からとうの昔に外れてしまっている]

[そう遠くない内に後を追う事になりそうです、と呟いて、僅かに苦笑を浮かべた]

(40) vdspuren 2015/01/01(Thu) 14時頃

【人】 理性子 参休

……羽織るものではありませんよ。>>47
もし着て行かれるのなら、これも襦袢に替えるべきです

[己と丁助がいるのだから内揚げ前の長着もあるだろうが、長くこの格好で過ごしていたライジは窮屈に思うかもしれない。ガウンの襟元を掴んで寄せ、襦袢ならこの程度は寄せますよ、と囁く]

[こうして伝えておけば、後はきっと、彼の望みと死出の旅路に応じたものを執事が見繕ってくれるだろう]

(54) vdspuren 2015/01/01(Thu) 16時頃

【人】 理性子 参休

[死期を疾うに過ぎたと言うのなら、あるいはクランの生そのものが末期の夢であったのか。彼は何故この場にいたのだろうとふと思い、今問う事ではないと口を噤んだ。
 ――もしかすると、かつては主と出会った時のことをこうして問うていたのかもしれない。懐かしく思えるのだとライジが囁く>>48のだから]

[目を伏せる。耳元に囁く声は自然と低く震えた]

貴方も。
……どうか、良い終焉を。

[一度その髪に触れてから、その場を辞した]*

(55) vdspuren 2015/01/01(Thu) 16時頃

【人】 理性子 参休

― 中庭 ―

[土を掘り返した跡がどうも目につくものだから、あれは何かと辺りに問う。そうして、ニコラスが死を望んだということを聞いた]

[隠し事をしてまで共にあるのが家族なのかと、そう主に問うていったという]

……

[――生まれてこの方世界は狭く、箱庭にしか暮らした事がない。主に同じ質問をされたとて何も答える事は出来ない]

[次々と死や外を望むクランの居住者、ニコラスの問う家族の定義に、言いようのない不安が湧く――知らず袖を握っていた]

(137) vdspuren 2015/01/04(Sun) 01時頃

【人】 理性子 参休

……主、御願いがあります。

[主はどの様な表情をしていただろうか。吾子が何人も手を離れたばかりの主には酷ではないかと思っていたが、それでも尚切り出した。今主に伝えられるのはこれだけであったから]

参休が薬を摂る習慣すら忘れてしまったなら、そのままにしておいて下さい。
――それが参休の死期です。

[脳裏を過ぎるのはライジの言葉――訪れた死期を無視してまで生命を繋いでも仕様がないと、朧気に思う]

[“磨り減り砕け散るまで箱庭にいた所で、それが何になるというのか”
 そう背後から囁きかける影が己の内にあるけれど、返す言葉は未だ持たない]

(139) vdspuren 2015/01/04(Sun) 01時頃

【人】 理性子 参休

[その日以来、日記を残す事にした]

[かつて忌んでいた、記憶を留める為の日記ではない。実際本棚の一角を占める程に頁が増えても然程読み返しはしなかった]


[抱いた疑問を、得た答えを、己の変遷を、手に取れる形で残しておけば――例え何処へも行き着けないまま消え去ってしまっても、過ぎた時間が無為でなかったと言える様な気がして]*

(141) vdspuren 2015/01/04(Sun) 01時頃

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