167 あの、春の日
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ゴロウ! 今日がお前の命日だ!
2014/03/09(Sun) 00時頃
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[それでも、ずっと後悔していた。 想いが叶うなんて思っていない。 それでも、もしもこの想いを伝えていたら、それがシーシャの自信になっていたかもしれないのにと。 たとえこの距離を失うことになっても、そうすべきだったのではないかと]
(0) 2014/03/09(Sun) 00時頃
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みんなも……っ!
[17歳のハルカではなく、27歳のハルカが叫ぶ]
みんなも、自分を大切にしたまえ! 自分が大事にしたいものを、間違えるな! 自分がどうありたいかを、見失うな! まだ君たちは、たった17,8年しか生きていないのだからな! 何かを諦めたり、何かを見限ったり、そんなことをするのは、早すぎるのだよ!
(1) 2014/03/09(Sun) 00時頃
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どんな傷を負ったとしても、死んでなければかすり傷だ!
[普段あまり大声を出すことはない。少し喉が痛い。それでも叫んだ。 これはただの夢かもしれない。 過去を変えたりなど、やっぱりできないのかもしれない。 それでも、誰かの思いに残ればいいと願った]
(2) 2014/03/09(Sun) 00時頃
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マユミ。
[背中を押してくれた後輩に、呟く]
多分これが僕の精一杯だ。 僕は、ちゃんと清水の舞台から、飛び降りられただろうか。
[くすりと笑う]
飛び降りたからには、きちんと着地しなければいけないのだが。 しまったな、ノープランだった。
(*0) 2014/03/09(Sun) 00時半頃
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さて、それで……。
[息が切れた。呼吸を整えながら、ハルカは首を傾ぐ]
僕は、どうやっておりたらいいのだろう。
[登ったあとのことを考えていなかった]
(4) 2014/03/09(Sun) 00時半頃
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うーむ。
[木の上に座り、ハルカは考えていた。 どうやっておりよう。 考えてから登れという話ではあるが、考えてしまったら木登りしていなかったかもしれない]
む?
[木の下に誰かの気配がした。落ちないように気をつけながら、そっと見下ろす。 果たしてそこには、腐れ縁の姿があって]
何しに来た。
[ご挨拶だった]
(8) 2014/03/09(Sun) 01時半頃
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[ハルカにとって、樹上の告白は、いわば清水の舞台から飛び降りるような気持ちだった。 それなのに腐れ縁は、左手を噛んでいる。 あれほど噛むなと言ったのに! とっさに投げる物を探し]
……飛び降りる。 受け止めたまえ。
[一番ダメージを与えるのは自分自身だという結論に達した。 左手めがけて飛び降りたらどうなるんだろう]
(10) 2014/03/09(Sun) 01時半頃
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とうっ!
[思い切りのよさがハルカのいいところ(?)である。 掛け声と共に飛び降りた。 腐れ縁にどれほどのダメージを与えるかわからない。 しかし痛い目をみなければ学習しない腐れ縁が悪いのだ。 全部決死の告白を受けた直後に左手を噛んだシーシャが悪い]
(12) 2014/03/09(Sun) 02時頃
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……ふむ。
[ひ弱そうに見える腐れ縁は、それでもハルカのことを受け止めてくれた。 下敷きにしておいて、申し訳なさそうな様子は全くない。 目から星が出ているシーシャを、しげしげと見つめた]
正しい左手の使い方だな。
[お前が言うなという話である]
大丈夫か?
[それでも、いつまでも転がっているわけにもいかない。起き上がろうとしながら、シーシャに問うた]
受け止められるとは、正直思ってなかった。 やはり君は男で、 僕は、女なのだな。
(14) 2014/03/09(Sun) 02時頃
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[当たり前のことを口にしてしまった。 1+1=2よりも当たり前のことだ。 生物学的にそんなことはわかりきっていたことだ。 全くこんなことはハルカらしくない]
っ!?
[起き上がろうとするのを阻むように、抱きしめられる。思わず息を呑んだ。 いつも。そう、いつも己は、腐れ縁と共にいた。 けれど27歳のハルカは、いつまでも一緒にいられないことを知っている]
水臭いことを言わなくていい。
[いつも以上にその口調がぶっきらぼうだったのは、照れ隠しだ]
でも、こんな時間は、いつまでもは続かないのだよ。 僕が傍にいなくても、左手を噛むのをやめてくれなくては困るのだ。
(17) 2014/03/09(Sun) 02時半頃
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[本当は。 いつまでも傍にいられたら、一番いいのだけれど。 ああ、やっぱりそれは違う。 たとえハルカが傍にいなくても、シーシャが自信を持って生きられたら、それが一番いいのだ]
だが、せっかく清水の舞台から飛び降りたんだ。 これくらいの役得は、あってもいいだろう?
[これは、夢だから。 そう遠くない未来に、終わってしまう夢だから……]
(*1) 2014/03/09(Sun) 02時半頃
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そうだ。 変わらないものなんて、なにもないのだよ。 僕たちがそう、錯覚しているだけだ。
[当たり前だと思っているから、大切なことに気づけなくて。 気づいた時には、遅いのだ。 27歳のハルカは、そのことを痛いほど知っている]
変!? 言うに事欠いて変だと!? 一体、誰のせいだと……!
[シーシャのためだなんて言わない。それはハルカにとってほとんど無意識のことだったし、シーシャとのこの距離を失わないための己のためでもあったのだから。 けれどシーシャに変と言われると、それは無性に納得がいかない]
(19) 2014/03/09(Sun) 03時頃
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僕の一人称と、手を噛む癖を同列に並べないでくれたまえ。 納得が行かない。
[ぶつぶつ言いながら立ち上がり、シーシャに手を差し出した]
ほら、いつまで転がってる。 立ちたまえ。
[再び、お前が言うなという話である。 強引に左手をつかんで引っ張るように立ち上がらせると、背中に手を回して抱きしめた]
忘れるな。 傍にいるのが当たり前ではなくなっても、僕たちの何かが変わるわけじゃない。
(20) 2014/03/09(Sun) 03時頃
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誰が僕っこ属性だ!! そんなもの狙っていない! 断じて狙ってなどいないからな!
[言うに事欠いて、とても不名誉なことを言われた気がする。 全力で否定して、左手を噛んではいないシーシャを叩いた。拳骨ではなく平手にしておいたのは感謝してもらいたい。 わざわざ説明なんてしない。君が女性には異様に緊張するからだなんて恥ずかしくて言えない。口が裂けても言ってやらない]
どうだかな。案外すぐに慣れて、物が飛んでこなくなって清々するかもしれないぞ。
[憎まれ口を叩きながら、それでもハルカは柔らかく笑んで]
どうしても慣れなかったら。 その時は、プロポーズでもしてくれたらいいさ。
[そうしたら、一緒にいられるだろう? どこまで本気かわからない口調でそう言って、楽しげに笑った**]
(22) 2014/03/09(Sun) 03時半頃
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知らん。自分で考えたまえ。 僕は教えてやらない。
[叩かれた理由が本気でわかっていない様子のシーシャ>>28に、ぷいっとそっぽを向いた。 中性的な言動は半ば無意識に身についたもの。やめていいと言われても、そう簡単には変えられない。 しばらくの間は、「僕」と「私」が入り混じることになりそうだった]
…………。
[冗談めかして告げた言葉の返事に、思わず黙り込んでしまう。 冗談半分、本気も半分。けれどきっと、冗談と受け取られると思って。そんな返事が返ってくるなんて、本当に予想していなかったのだ]
……約束しよう。 10年経っても、この気持ちは変わらない。
[ゆっくりと深呼吸をしてから、穏やかに告げた。 先にたって歩き出し、振り返る]
ほら、戻るぞ。
(44) 2014/03/09(Sun) 18時半頃
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―追いコン会場―
[シーシャは一緒に来ただろうか。 ともあれハルカは、追いコン会場に戻ってきた。 やらかしたことがやらかしたことなので、少々決まり悪かったが、ハルカはあまり顔に出ない性格なのが幸いして、表面的には常と変わらぬ無表情。 なにより、ハルカを一番からかいそうなルームメイトは、ここにはいない]
戻った。
[誰にともなくそんな挨拶をしたが、会場に漂う空気に気づくと首を傾いだ]
何かあったのか?
[追いコンという性質上、しんみりとした空気になるのは仕方ない部分もあるが、それともなんだか違うような気がして]
(45) 2014/03/09(Sun) 19時半頃
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……む?
[ぎこちない笑みを浮かべたフィリップ>>50に祝福の言葉をかけられると、本気で不思議そうな顔をした]
何かめでたいことがあっただろうか。
[とぼけているわけではない。本気である。 明確な返事をもらったわけではない。提示されたのは、あくまでも未来の可能性。 祝福されるようなことは、何もないと思っている]
(51) 2014/03/09(Sun) 21時頃
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ハルカは、シーシャの方を見て、やっぱり不思議そうに首を傾いだ。
2014/03/09(Sun) 21時頃
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…………。
[しばし黙ってハルカは状況の把握に努めた。 エルゴットが泣いていたらしい。そしてそれは、卒業して皆と別れるのが寂しいとか、そういう理由ではないようだ。 フィリップから、ルーカスからかけられる、真摯な励ましの言葉。 静かにハルカはそれを聞いていた]
……ふむ。
[沈思黙考の末、ハルカは一歩踏み出す。 慰めとか、励ましとか、そういうことは、己には似合わない。 ハルカは全然違う方向から、エルゴットに近づこうとした]
……僕が思うに。 エルゴットには、ずるさが足りない。 そして自分の価値をだいぶ少なく見積もっているように思う。
(64) 2014/03/09(Sun) 23時頃
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[それは慰めでも励ましでもない]
エルゴットは、海外の大学に進学するのだろう。 つまり、それだけ期待されているということだ。 それはつまり……交渉材料を持っているということだ。 自分自身という。
[淡々とハルカは語り、漆黒の瞳はひたりとエルゴットを見つめる]
何の見返りも求めず、両親の期待にだけ応え続ける必要がどこにある。 君は、見返りを求める権利があるのだよ。 ……犬だって、本当は手放したくないのだろう?
(65) 2014/03/09(Sun) 23時頃
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エルゴットは成績が優秀だ。絵画の才能もある。 それだけのものを、自分のために使わなくてどうするというのだ。 どうして自分以外の誰かのためにしか、使わないのだ。 ……もったいない。
[そう言うと、コップに>>4:63の1を注ぎ、一気に飲み干す]
僕なら……そうだな、まずはハンストか。 そうやって、要求を通すところだ。 君は決して、持たざるものではないのだよ。
(66) 2014/03/09(Sun) 23時頃
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涙には、自浄作用がある。 泣いてすっきりするなら、いくらでも泣けばいいと思うが、生憎そんな爽やかな涙ではなさそうだ。
[懸命に励ます男性陣に、励ます方は完全に任せ、ハルカはあくまでも冷静だった。 いっそ酒で潰してしまうべきか、と考えて首を横に振る]
きっと。 人生は、君が思うほど悪いものではないし、 人間は、君が思うほど怖いものではない。
[震えるエルゴットの肩に、触れることはしない]
強くなれとは言わない。 もっとしぶとくなれ、エルゴット。
(75) 2014/03/10(Mon) 00時頃
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